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酔った勢いで書いたゆっくりありす制裁物です。かなりグダグダかつ、話に脈絡があり ません。酔っ払いのグダグダ文章に興味が無い方、読んでて何かしらの違和感を感じた 方、地域ネタが嫌いな方はプラウザのバックボタン押下推奨。約80字改行です。 「ばでぃざあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙っ゙!!!」 「やめでええええええ!まりぢゃいっぎだぐないいいいいいい!!」 「づん゙でれ゙なばでぃざぼがばい゙い゙よ゙お゙お゙お゙お゙お゙っ!!!」 ったくうるせぇったらありゃしねぇ。最近俺の裏庭がレイパーありす(以下、糞)の待機 所(?)と化した。そのせいでここ最近、ありす共の一方的かつ迷惑で独りよがりな言葉 攻めと、攻められたゆっくりによる果てしない悲鳴が裏庭に響く。そしてその大音量に 目が覚める。数日前も朝の4時からこいつ等に叩き起こされる破目になったばかりだ。 まあ、精神衛生には悪いが一応目覚し時計ではあるから少しは有難いがな。欲を言えば もう少し稼動するのが遅ければ最高なんだがな。 つーか、朝の4時に何していたんだよ、襲われた奴は。 それはともかく、どうにもこうにも腹が立ってたんで、眠い目を擦りながら数日前に捕 まえたゆっくりまりさを窓からぶん投げた。その傍から新たに放り込まれたゆっくりに 群がる糞ありす共。ったく、こいつらはオ○ニー覚えた猿かっつーの。 とりあえず家からミキサーを用意し、糞共が夢中になっている間に奴らとの間を 詰める。途中すっきりーとかキモい声が聞こえたが、ヤることに集中していたお蔭で 後ろがガラ空きだ。簡単に捕まえることが出来た。どんどんしまっちゃうおじさん顔負 けの速さで透明な容器に糞共をぶち込んでいく。 「おにいさん!なにするの!!とかいはのれでぃをすんどめするなんて、とんだ いなかものね!!」 「いなかもののおにーさんはゆっくりだしてくれればゆるしてあげなくもないわよ!! 」 とか言いやがる。快楽を中断させられた腹いせだろうか。立場も理解していない上に うるせー奴らだ。テメーらの仲間はテメーらのせいでヤリ殺されたっていうのによぉ。 一匹鷲掴みする。 「いだいいだい!!とかいはの「その『とかいは』ってのがウザいんじゃボケが !!」 と言って思い切り容器へと投げつける。ゆ゙ぎゃっ、という悲鳴と共にデスマスクと 成ったのを確認し、蓋を閉じる。これでウザいとかいは宣言も無くなるだろう。ま、 『とかいは』を自称するのになんでこんな糞田舎にいるんだ~?って言葉攻めしても 良いが、それは専門職の方のお仕事だ。奪う訳にはいかんだろう。 とりあえず怯える糞共が喧しかったのでその容器を蹴り飛ばし、奴らを黙らせる。 ふと足元に視線を向けると、足元には先ほど投げ込んで犠牲になったゆっくりまりさが 居た。頭から茎を数本、その茎の先には赤ゆっくりを、合わせて十数匹実らせ息絶え絶 えになっていた。さて、これから指導タイムを始めるか。 ゆっくりまりさから茎を引っこ抜く。保護ゼリーの中ですやすや眠っていた赤ゆっくり だが、暫くすると「ゆ゙っぐっ!ゆ゙っぐっ!」「ゆ゙ぎぎっ!」と保護ゼリーの中から 悲鳴を上げる。本来送られてくるべき母体からの栄養が途絶えたからだろう。 「「「「やべでえ゙え゙え゙え゙っ!!どがい゙ばの゙あ゙り゙ずのあがぢゃん゙がーー!!! 」」」」 「うっせ黙れボケ」 そういって俺は容器の蓋を開けて糞共を一匹ずつ拳骨を食らわした。そして取り出した ミキサーの中へ茎と赤ゆっくり、そして煩い糞一匹を入れ、ミキサーのスイッチを入れ る。 「うぎゃあ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!あ゙り゙ずの゙あ゙ん゙ご…… !!」 「ゆぎゅゔゔゔぅぅぅっ……」 ったく、こいつらの煩さといったらありゃしねぇ。産まれもしていねぇ糞ガキの頃 から騒音公害指定物だろ常考、と思っている内にとかいは(笑)ありすの親子丼 ジュースの出来上がりだ。 頭の茎を引っこ抜いたせいで気絶していた死にかけゆっくりまりさの口を無理やり こじ開け、ジュースを流し込む。俺が作った特製ジュースのお陰か、まりさの顔色が 徐々に良くなり、活き活きとしてくる。 続いて仲間と、仲間とともに子作りして出来た子供たちの末路を見て震えていた糞共だ 。一匹ずつ捕まえてジュースを流し込み、口を押さえて拳骨を与えて無理やり嚥下させ る。 「どうだ、テメェら糞共がレイプして出来たガキとレイプ仲間をミキサーにかけて作っ た親子丼ジュースは。吐いたりしてみされ。ジュースの具材にすっぞ。分かってんのか 、あ?」 顔を青くして震えている。流石にレイプがOKなこいつ等でも共食いはNGのようだ。 「ま、嫌な顔せず、ゆっくり飲んでいきまっし!!」 そういって糞共全てに親子丼ジュースを飲ませた。いい気味だ。テメェらの腐れザー○ ンから出来た糞ガキ共だ。そりゃあ腹になじむだろうな。 その後徹底的に殴る、蹴る、踏む。 「「「「どぼじで…ごんな゙ごどずるの゙…!?」」」」 「性欲に負けてレイプするとこうなるんや。それともテメェらの小せぇナニ切り取って やろうか、どうや?」 「「「「ゆぎい゙ぃぃぃーーごめんだざい゙い゙い゙ーー!!!」」」」 これでレイプすると酷い目に遭うことを理解できただろう。ま、忘れてもまた目の前で 仲間と子供をミキサーにかければ暫くの間はレイプする事はないだろう。 紐で糞共を縛り、最終準備完了。 「おら、とっとと失せろ性欲の奴隷以下の絞りカス共が」 そういって俺は糞共をハンマー投げの様に投げ飛ばした。おととい来やがれ糞が。 「ゆ゙ゔゔゔ~~~~~」 忌々しい声とともに消える奴ら。さて、朝から汗をかいた。早くシャワーをして出勤 準備をせねば。 ~~~~~~~~~~ 「ゆっくり?」 「そう。わしの家の近辺にまで現れおった。喧しい奴らじゃわい。この前も21世紀美術 館と県立図書館、さらに中警察署が奴らの被害に遭ったばかりじゃ。」 「博士、彼らは一体何なのでしょうか?」 「それが皆目分からんのじゃ。北斗のコンピュータでも調べてみたんじゃが、奴らに関 する情報が出てこなかったんじゃ。その後、2011年に飛んでみたところ、ルビーロマン が奴らのせいで出荷不能になる事態に発展するほど繁殖してたんじゃ。油断も糞もない わい。」 「…はぁ。」 ~~~~~~~~~~ 先日した博士との話を思い出しつつ、俺は出勤準備を進める。 糸冬 このSSに感想を付ける
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ミックス☆ジュース リメイク版 第八話 私市 朔耶 「――――今作れるのは、僕か、朔耶か、玲か、彩さんになるんだけど。 誰か指名する人、いる?」 「さく、や・・・? もしかして、そこにいますの、さっちゃん?」 体を傾け、カウンターに立っている香の後ろをのぞき見る。 懐かしい響きに、ふっと振り返る朔耶。 頭で考えたと言うよりも、体が自然に反応したようだった。 次の瞬間、目が、合った。 「・・・・・・春歌ちゃん!?」 語尾が裏返っている。 「うそ、どうして? さっちゃんもリリアンでしたの?」 「まぁ、私らしくないと言えばらしくないですけど・・・(^^; いやー驚きました、何で今まで会わなかったんでしょうね?」 再会の雑談に花が咲きそうだったが、真ん中に位置する香が、それを止めた。 「ごめんね、朔耶、これってなにごと?」 「あ、いえ、この子、私の親戚なんですよ」 「ごきげんよう、白鳥春歌と申します」 香と改めて向き合うと、深々と一礼をする。 少々慌てていた香も、同じようにお辞儀をしてしまった。 今日はクラス単位では特に用事がなかったのか、彼女にとっての私服姿である和服で登場した珍客に、朔耶は顔に出す以上に驚いていた。 時を同じくして、もう一人。 「ごきげんよう、玲様」 「やぁ、春菜さん、来てくれたんだ」 「ええ、ちょっと、誘われたもので(^^)」 玲の元を訪れたのは、図書委員一の腕利き、中司春菜だ。 本人が、自分は怠け者だ、と言っているのをよく耳にする。 だが、それは本当にただの自称であり、体育祭実行委員も先陣を切って勤め上げるなど、その手腕に対する評価は思いのほかに大きい。 「じゃ、少し張り切ろうか。 リクエスト、何かあるかい?」 「そうですね、それでは――――」 ざこっ。 「あっ」 下駄を何かに引っ掛けて転びそうになる春歌。 人より少なめの平衡感覚を駆使して、なんとか姿勢を戻すと、自分の足元に目を向け、何に引っかかったのかを確かめる。 そこには、つま先を押さえて悶絶する少女が一人。 どうやら、彼女の足にぶつけてしまったらしいのを見て取って、あわてて謝罪をする春歌。 「あぁぁ、すみません、大丈夫ですか!?」 「~~~~~~っ、はいっ・・・」 目の端に涙を浮かべてなんとか返事をする春菜。 なんとか、痛みをこらえて顔をあげると、蹴った本人が泣きそうな顔で心配しているのが目に入った。 「いや、あの、ホントに大丈夫ですから・・・」 「いえ、でも・・・ ごめんなさい、不注意でしたわ」 懐からハンカチを取り出すと、そっと春菜の目元を拭った。 春菜の顔に見覚えがあったのか、春歌の動きが少し鈍る。 「あの、どこかでお会いしたこと、ありますよね?」 「えっと・・・もしかしたら図書室で?」 「あっ! そうですわ、中司春菜さん、でしたわね。 ・・・となると、一方的に私が存じ上げているだけですのね?」 「えっと、白鳥、春歌さま、ですよね?」 「はえっ?」 「よく利用してくれる人の顔は、覚えてしまうんです(^^; 図書館の利用カードを見れば、名前もわかってしまいますし」 「びっくりしました、超能力の持ち主かと・・・」 そんなこんなで、雑談が弾んでいく。 学園の日常のお話、文化祭の準備、今日の出し物のお話、図書室のお話ときて、薔薇の館のお話へやってきた。 「――――春歌さまは、ロサ・キネンシスをご存知?」 「ええ、そう深い間柄ではないですけれど。 でも、彼女よりあなたの方が働いている、と、一部で囁かれていますけれど、それって事実なんですの?」 「う~ん、それは体育祭の時の話でしょうか? 私はただの実行委員で、会議へは出ませんから、わかりませんわ。 芽衣子さんから聞いた話だと、用事がないと中々薔薇の館へ現れないと言うか・・・」 と、そこへ。 「あれ? 春菜ちゃんじゃない。 あなたも、ジュースを飲みに来たの?」 息を切らせたロサ・キネンシス―――二宮央が現れた。 噂をすれば影、と言うが、なんとも因果なものである。 しかし、なぜ息が切れているのだろう?と、春菜は感じた。 「央さん、ごきげんよう^^ 今日は楽しんでらして?」 にっこりと微笑んで、春歌から疑問が出た。 疑問は出たが、肩で息をする人間にする疑問が向かう先はそこなのか?と耳を疑いたくなる。 こういう場合、まず真っ先に聞くものがあると思うのだが・・・。 「春歌さまって、ほんとにマイペースですよね・・・ 央さま、その、何かから逃げてきたような状態は、なんですか?」 「決まってますわ、芽衣子さんと京さまよ。 あの二人を巻くのにどれだけ苦労したか・・・」 「おや、央さん、また来てくれたんですか^^」 マイペース人間、さらに一人追加。 朔耶が、手に4本のジュースを持って、やってきた。 と、先ほど央が二人から逃げ出した事実を思い出す。 つと眉根を寄せ、困ったような表情になると、一言つぶやいた。 「あ、しまったなぁ、ついさっき飲んじゃいましたよ」 他の3人は何を飲んだのか知らないので、意味がよくわからないでいる。 「猫に鰹節、朔耶にリンゴ、だな」 手に盆を、その上にカップを乗せて、玲がやってきた。 「お待たせしました、ポリネシアンダンサーになります」 「わぁ、ありがとうございます」 満面の笑みで、春菜はジュースを受け取った。 その隣で、春歌と朔耶が驚いている。 「えっ、同じもの?」 「は? なにがだ?」 胡乱げに聞き返す玲。 何がなにやら良くわからない央は、一歩下がって成り行きを見ている。 「私が注文したのも、同じものだったんです」 おずおずと、玲の質問に答える春歌。 と言うか、それを朔耶に注文したのなら・・・ 「あの、春歌さま、その本数は・・・?」 「え? 4つ・・・ですけど、それがどうかしましたか?」 何か、おかしいのだろうか? 彼女の顔には、疑いようもなくそう書いてある。 春歌の胃における性質を知っていた、親族(?)の朔耶以外は、一様に声を失った。 まぁ、確かに驚きますよねぇ、と朔耶は一人で勝手に納得していたのだが、あ、そうだとぽつりと漏らす。 「ねぇ春歌ちゃん、この内の一本、私がもらっていいですか?」 「え? さっちゃんも好きなんですの?ポリネシアンダンサー」 「いえ、嫌いではないですけど・・・。 はい、央さん」 「・・・はい?」 目の前ににゅいっと伸びてきた腕に、少なからず戸惑う央。 「おっかけっこして、疲れてますよね? 栄養補給に、持って行ってください」 「・・・お気遣い、痛み入ります」 ぺこ、と央は軽く頭を下げた。 少々察しの悪い春歌は、ここまできて、状況にやっと追いついた。 「あ、そう言うことでしたの。 でも、それってさっちゃんのオゴリですのよね?」 「え? ・・・えぇ、まぁ」 生返事で返すと、横から玲がしっかりと釘を刺す。 「朔耶、備品の着服は禁止だから、それはちゃんとわかってるよね?」 「わ、わかってますよ、もちろん」 「じゃ、さっきのりんごジュースのも含めて、し~~っかり働いてもらわないと」 「ふえ~ん・・・」 情けない声を残して、りんご大王はテントの奥へ消えていった。 取り残された三人は、顔を見合わせると、ぷっと吹き出し、そのまま楽しそうな笑いへ変わっていった。 「ふふふ、さっちゃん、お間抜けなのはいつまでも変わらないんですのね」 「剣の腕前ならリリアン4剣士でも最強だと言われながら、朔耶さまはあの性格ですからねぇ」 「やっぱり、私このジュース代、払ってきた方がいいと思うんですけど?」 央の提案に、春歌は首を横に振る。 「いーえ、ここは部員の方に絞って頂いたほうが、さっちゃんのためですわ」 そう言ってはいるが、その実ところどころに「ぷぷぷ」と笑いが混じっている。 ひとしきり笑った後、春菜が提案した。 「ところで、ジュースを飲みませんか?」 「そうですね、せっかく奢って頂いたのですし」 「では、いただきましょう^^」 『いただきまーす』 ぱくり、ちゅるちゅるちゅる~~~・・・。 「・・・は~、南国系フルーツのミックスジュースでしたか」 「そうですよ、央さまはご存じなかったんですか?」 「ええ、でもすっきりした甘さで、とても美味しいですわ」 「さっちゃん、意外と上手に作るんですのね」 「玲さまの作ってくださったジュースも、そこらのものより格段に美味しいです^^」 「さっき、私も玲さまに作っていただいたけど、あれも美味しかったわ・・・」 「そうですわ央さん、美味しいと言えば――」 女三人寄ればなんとやら。 その楽しげな雑談は、いつ終わるともなく続いていた。 あとがき これを書き始めた時点では、まだ央さんが逃げ切れるか、芽衣子さん&京さんに捕まるか、 決まっていなかったんですよね。 もしかしたら、捕まるエピソードを「if」として作るかもしれないですが、それはまた別のお話。 ポリネシアンダンサーと言うのは、春歌ちゃんからのリクエストだったんですけど、 どこをどう調べても作り方が出てこなくて苦労した覚えがあります(^^; 目次へ戻る
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「あんたさあ、私達以外にリアルの友達って居たことあるの?」 「えっ」 それまでもきゅもきゅとコロネを貪っていたこなたが、びくっとその動きを止めた。 「? ちょ、ちょっとこなた……?」 「…………」 何気ない一言のつもりだった。 飄々としたこなたのこと、どうせ何かしらのネタで返してくるに違いない…… かがみはそう思っていた。 「………うっ」 こなたが嗚咽を漏らすまでは。 「!? こ、こなた!?」 予想外の展開に、かがみは動揺した。 「……えぐっ、うっ……」 こなたは泣いていた。 小さな肩を震わせ、ぽろぽろと涙を零していた。 「あ、あっと、えっと……」 困惑し、狼狽するかがみ。 どうすればいい? 否、頭ではわかっていた。 このいたいけな少女を泣かしたのは他でもない自分なのだ。 今すぐにでも、自分は心の底から謝罪をしなければならない。 しかし、それを伝える言葉が浮かんでこない。 ごめんなさい? 悪かったわ? 冗談だったのよ? 違う、違う、違う。 そんな言葉じゃないんだ。 今眼前ですすり泣いている親友に向けるべきものは、そんな言葉じゃなくて―― 気が付くと、かがみはこなたを抱きしめていた。 「……かがみ……?」 ふと顔を上げ、きょとんとするこなた。 「…………」 かがみは何も言わず、黙ってこなたを抱きしめる。 ぎゅっと、強く。 「……かがみ……」 こなたの表情が和らいでいく。 「……ごめんね」 「ううん」 「ごめん……」 「もういいよ、かがみ」 こなたは笑った。 すっかり、涙は枯れていた。 あの頃の自分。 泣いてばかりいた自分。 そんな自分も、今度こんな風に抱きしめてやろうと、こなたは思った。 コメントフォーム 名前 コメント oh...sogood -- 名無しさん (2024-03-07 23 41 50) GJ! -- 名無しさん (2022-12-18 11 35 21) 完全なギャグかと思ったら、意外と真面目な話だったな。 -- 名無しさん (2012-11-23 10 49 44) 口を尖らせて涙をこらえるこなたを想像すると 萌え死にそう -- 名無しさん (2011-10-23 18 25 41) えと・・んと・・ -- 名無しさん (2010-01-15 22 20 38) いやいや、俺の嫁。 -- 名無しさん (2010-01-15 07 12 35) こなたは俺の嫁 -- 名無しさん (2009-12-07 19 56 20) ★★★★★ -- マヨラ (2008-10-05 02 52 30)
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唯「ふぇ?」 憂「雪見だいふくの日らしいよ、お姉ちゃん」 憂「今日、というか昨日が」 唯「そうなんだ。知らなかったな」 唯「昨日教えてくれればよかったのに」 憂「昨日は買ってこれなくてね」 憂「と言うわけで今日買ってきました雪見だいふく」 唯「おおー真っ白い!」 憂「もちもちだよ~」 憂「半分こしようね~」 唯「ありがとう。ういー」ナデナデ 憂「えへへ~」 唯「うーん冷たいね」 憂「うん。でもおいしいよ」 唯「寒い日に食べるアイスはなんておいしいんだろう」 憂「急に食べたくなるよね」 唯「暑い日も寒い日もアイスがあれば生きていける」 憂「大げさだよお姉ちゃん」 唯「そんな気がするんだ」 憂「だいふく冷たいうちに食べちゃおう」 唯「おっとそうだったね」 憂「ちょうど二個入りだからいいね」エヘヘ 唯「私達にぴったり!」 ――ペリペリ 憂「雪のように真っ白でオモチのようにふんわり」 唯「それが雪見だいふくなのです」 憂「はいスティック」スッ 唯「ありがとう。それじゃあ食べよう」 憂「つめたーいひんやりする~」 唯「おおのびるのびる」ニョローン 憂「あ、結構がんばるね」 唯「もうひょいもうひょい」 憂「もう少しのびれば新記録!?」 ――ぷちん 唯「あらら」シュン 憂「ざーんねーん」 唯「もう、だいふくめ~」 憂「今日のだいふくは機嫌がよろしくないの」 唯「そんなだいちゃんは一口で食べちゃう」パクン 憂「わあ、おっきなお口」 唯「んーーーつめひゃいー」ヒョー 憂「とても幸せそう」ニコニコ 唯「お口の中がね、甘くてね、冷たくてね、おいしいの」 憂「買ってきてよかったあ」 唯「おてがらだよーういー」ナデナデ 憂「ふふふ」 唯「うい早く食べないととけちゃうよー」 憂「だいふくはとけないけど……お姉ちゃん食べたい?」 唯「ちょっとだけ~」エヘ 憂「もうっ」 唯「そんなこと言いながら憂はわけてくれるのでした」 憂「……そんな顔されたらしかたないなあ」 憂「はい、あーんしてぇ」 唯「あーーーん」 憂「お姉ちゃんのお口めがけて」スー ――ぱくん 唯「んんーおいしいですねーー!」 唯「ういのはおしいよー」 憂「どっちもかわらないよ~」 唯「ういーもっとー」 憂「しかたないなぁ」 憂「って今のでなくなったよ」 唯「ええーー」 憂「一つしかないしね」 唯「あいすーーたべたーーいーー」 憂「わがままだねぇ。お口にチャックしちゃうよ」キュ 唯「もがもが」 憂「アイス他にあったかな」トテトテ 憂「冷凍庫を開けまして中身チェック」フムフム 憂「わあ、予備用のピノ発見です」 憂「名前がかわいいよね。ピノ」 憂「おいしい名前。かわいい名前。お姉ちゃんにぴったり」 憂「はいお姉ちゃん新しいアイスだよ~」トテトテ 唯「もがもが」 憂「お口開けようね」キュ 唯「ぷはー」 憂「はい新鮮な空気すってーはいてー」スーハー 唯「空気がうまい!」 憂「こちらはもっとおいしいアイスですよ~」スッ 唯「アイスもうまい!」 憂「さあ、そのおいしいアイスの名前は~」 唯「は~?」 憂「ピノ!」ジャーン 唯「おー!ピノ!!」 唯「かわいい名前ですねー」 憂「昔そんな名前の女の子が居たからね」 唯「だからかわいいのかー」 憂「そうだね。たぶん」 憂「さあ箱で買ったから、たーんとお食べ」 唯「いっぱい食べます!」 憂「お夕飯もいっぱい食べたのにね」 唯「アイスは別腹!甘いもの別腹!!」 憂「おなかこわさないように食べましょう」 唯「うんーはやくちょうだーい」 憂「はーいあーーん」 唯「ぱくん」 唯「んんーーーおいしいいいーー」ゴロゴロ 憂「わあ雪見だいふくよりリアクション高い」 唯「いやね、チョコレートがついてるぶん甘く感じてね」 憂「ふーんわからなくもないかも」 唯「さあもっともっとーー」 憂「もうおなかこわしてもしらなーい」アーン 唯「ぱくり」モグモグ ―――――――――――― 憂「結局全部食べちゃった」 憂「26個入りだったのに」 唯「私はがんばりました!」 憂「お姉ちゃんすごい!!」パチパチ 憂「さてお姉ちゃん」 唯「なにかな」 憂「雪見だいふくなんだけど、もちもちだったね」 唯「うん、もうもちもちすぎてほっぺたとろけちゃうよ」 憂「そう!もちもちだいふく。まるでお姉ちゃんのほっぺたみたい」 唯「そうかな?」 憂「そうだよ。だからさわらしてね」 唯「流れがわかんないけど、ほっぺたくらいならいくらでもー」 憂「もちもちほっぺ~」サワサワ 唯「あんひゃりひっひゃっははめはお」 憂「わかってるよ~」グイーン 唯「のひないのひない」 憂「ふふふふふ」 唯「もーーおひゃいひ」グイーン 憂「ひょゎ~~」 唯「むむむ」グイグイ 憂「ううう」グイグイ ――ぺちん 憂「あうっ」 唯「あいたたた」 憂「手からはなれちゃった」 唯「ほっぺたがちょっとだけ伸びた気がする」ヒリヒリ 憂「えへへ、いたいのいたいのとんでけ~」ナデナデ ポーン 唯「あらふしぎ!いたいのなおっちゃいました」パパーン 憂「こうしてあげればお姉ちゃんのいたいところなんでもなおせる」 唯「大げさだよういー」 憂「そんな気がするの」 唯「でも、ありがとう」 憂「どういたしまして」 唯「ピノもおいしかったけど」 唯「ひさしぶりに食べた雪見だいふくのお味が忘れられない」 憂「もっといっぱい買ってくればよかったね」 唯「あれ箱で売ってないかなぁ」 憂「いっぱい食べたいもんねー」 唯「あいすあいすあいすあいす」 憂「今度いっぱい買ってこよう」 唯「あいすってどれくらいあるのかな」 憂「どうだろう。コンビニにいっぱいあるけど」 憂「その種類はわたしじゃあ見当も付かないよ」 唯「種類豊富なあいすをいつか食べつくしてみたい」 憂「お姉ちゃんならいつかきっとできるよ!」 唯「やっぱりー?そうかなー」 唯「あれもこれもそれもぜーーんぶ食べたいの」 憂「私はそれを見届けるよ!!」 憂「それができたら静かに余生を送れる気がするんだ」 憂「がんばったねお姉ちゃん……ってね」ホロリ 唯「またまた大げさな」 唯「でもいつかはできることを夢見て……!」 唯「さて、憂さんや」 憂「なんですか唯さん」 唯「さっきから疑問だったのが一つ」 憂「はいはいなんでしょう」 唯「なぜ昨日、いや18日が雪見だいふくの日なのでしょうか!」 憂「いい質問ですね~」 唯「ふしぎに思ったことはなんでも聞いちゃいます」 憂「えらいえらい」ナデナデ 唯「いやいやあー」 憂「え~何故その日かと言いますと」 唯「と~?」 憂「パッケージを開けて、それを縦にして上から見ると……!」クル 唯「こ!これは!!」 憂「そう!なんと!!スティックの部分が“1”に」 憂「だいふくの部分が“8”に見えるじゃありませんか」 唯「なんてふしぎな!!」 憂「そうだよすごいんだよ雪見だいふくは」 唯「それじゃあ毎月18日は雪見だいふくの日なのかー」 憂「そこはあせっちゃいけないよお姉ちゃん」 唯「うっ、先走りました」 憂「記念日はいっぱいあると嬉しいけど、よくばっちゃいけません」 憂「今月が雪見だいふくなわけは!」 憂「いい月だから!!!」 唯「いいーー!?」 憂「11月はいい月なんだよ」 唯「そうだったんだね……!」 憂「お姉ちゃんの誕生月でもあるからねいいこと尽くしだよ、いい月は」 唯「ふむふむすごいようい」 憂「えへへ~」 憂「そんなわけで今日、というか昨日は雪見だいふくの日なのでした~」 憂「正確には“いい雪見だいふくの日”だね」 唯「いい日なんだね!」 憂「いい日なんだよ~」 憂「そんな日に買ってこれなかったのが悔やまれる……!」 唯「元気出して憂!!」 唯「今度は私が買ってきてあげるから」 憂「お姉ちゃん……」 唯「というか今から買ってくるよっ!」 憂「ええ?あんなに食べたのに?」 唯「もっといっぱい食べたいよ!」 唯「憂と一緒にね」 憂「……そうだね」 憂「こんな日くらいいっぱい食べてもいいよね」 唯「さあ出かけよう」スッ 憂「うん、寒いからぎゅっとね」ギュ 唯憂「それじゃあ、いってきます!!」 おしまい 戻る
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『甘やかした結果』 若草の萌える季節、桜も散った森の中を2mほどもある巨大なれいむが駆けていた。 頬は大きく膨らんでいて、そこに大量の食料が詰められていることが分かる。 明らかに巨大れいむ一人が食べきれる量ではなく、今は春なので冬篭りのための食料でもない。 この食料は娘のための食糧だった。 巨大れいむのおうちである広い洞窟の入口前で大小様々なゆっくりが遊んでいた。 巨大れいむが帰ってきたのに気づいた一匹の成体れいむが洞窟の中のゆっくりに「おひるごはんだよ!!」と呼びかける。 その声に洞窟の中でゆっくりしていたゆっくり達がゾロゾロと洞窟から出てきた。 それらはほとんどれいむ種で、まりさ種はれいむ種ほどではないがそれなりにいる。 成体のれいむ数匹は全て巨大れいむの娘だ。 成体のまりさは一匹だけだが、そのまりさが巨大れいむの娘たちに子種を与えたゆっくりだった。 まりさの子種を受けたれいむの産んだ子ゆっくりと赤ちゃんゆっくりが巨大れいむの孫ということになる。 巨大れいむが頬に貯めた食糧を地面に全部吐き出すと娘や孫たちは礼も言わずにガツガツと食事を始める。 「うっめ、めっちゃうっめ!!」 「はふはふ、ちょっとすくないけどしあわせー!」 「おかーしゃん、れいみゅもたべたい!!」 「れいむのごはんをわけてあげるね!」 「わーい、ありがちょう!!」 巨大れいむは自分などそっちのけで食事する娘たちを寂しげに見ていたが、やがておうちに戻ると深いため息をついた。 いつからこうなったのだろうか。 立派な成体ゆっくりの娘たちは未だに食糧調達に出かけようともせず独り立ちをする気配もない。 成体まりさも娘を孕ませたうえに半ば無理矢理おうちに住み着き、そのくせ一度も食糧調達には出かけていない。 これでも一緒に食べ物を探しに行こうと何度か誘った。 しかし「またこんどいくよ!」だとか「あかちゃんのせわでひまがないよ!」などと何かと理由付けて断られた。 赤ちゃんの世話と言うが、一番大変な食事集めの他に何があるのだろう。まりさは赤ちゃんと一緒に遊んでるだけだった。 孫の子ゆっくりや赤ちゃんゆっくりもそんな親に育てられたせいか、 食料は危険を冒して取りに行くものではなくて運ばれてくるものだと思ってる節がある。 そんな孫たちに教育しようとした時もあったのだが、 「れいむのかわいいこどもはれいむがそだてるよ!」 「おかーさんはそれよりもたべものとってきてね!!」 「おちびちゃんはこっちでゆっくりあそぼうね!!」 といった風に娘たちが邪魔してくるのだ。 孫たちも教育なんてつまらないことよりも娘の誘いに乗って遊びに行ってしまう。 そんなうちに孫たちはどこまでも甘えさせてくれるお母さんである娘に懐き、 何かと口うるさいお婆さんの自分に甘えるのは食事を持ち帰った時ぐらいのものだ。 それすらも最近は無くなったが。 おうちの入り口付近で駆け回ったり押し合いして遊ぶ娘達を見て巨大れいむは再びため息をついた。 巨大れいむは後悔していた。娘達を甘やかしすぎたことを。 産まれて間もない娘達の喜ぶ顔が見たい一心で巨大れいむは食料を集めていた。 甘えてくる娘達を受け止めて存分に甘やかした。 娘達が子ゆっくりに育っても、平均的なゆっくり家族のように子供と一緒に食べ物集めには行かなかった。 娘を危険な目に合わせるわけにはいかないと一人で食料を探しに出かけていたのだ。 娘達が成体と呼ばれるまで大きく育っても巨大れいむは娘を独り立ちさせずに世話をし続けた。 この時はまだ自分の育て方が悪いと思ってなかったし、事実として娘達はとてもゆっくり出来ていた。 そんなある日のこと、食料を集め終えておうちに帰ると一匹のまりさが娘達とゆっくりしていた。 巨大れいむは侵入者のまりさよりもまず、娘達の頭に茎が生えていたことに驚いた。 どの茎にもれいむ種とまりさ種の赤ちゃんが実っていた。 それはつまり、どこからともなく現れたまりさによって娘が孕まされたことを意味していた。 自分の居ない間におうちに侵入した上に、可愛い娘をも汚したこのまりさを許すわけにはいかない。 強い憤りを感じた巨大れいむはまりさをこの場で潰してやると身構えたが、 「このまりさはれいむたちをすっきりさせてくれたんだよ!」 「ゆっくりできるまりさだよ!!」 「おかあさんみてみて! あかちゃんができたんだよ!」 「まりさのおかげでゆっくりできるよ!!」 幸せそうに笑顔を浮かべて喜ぶ娘達を見ると、目の前でゆっくり殺しなど出来るわけもなかった。 かといってまりさに対する怒りが消えたわけではない。 怒鳴りつけたいのを抑え、極めて冷静にまりさへ話しかける。 「まりさ、こんなにたくさんのあかちゃんをうませたけどちゃんとそだてられるの?」 「もちろんそだてられるよ! だからきょうからここをおうちにするね!!」 「よろしくねまりさ!」「いっしょにあかちゃんそだてようね!!」 どうやら娘達とまりさの間ではこのおうちに住み着くことは決定済みらしい。 それは赤ちゃんを生やした娘のことを考えるとそれでいいのだが、 まりさの返答を聞く限りでは赤ちゃんの世話について深く考えておらず、何とかなるだろう程度にしか考えていないように見えた。 逆にそうでなければ「もちろんそだてられる」などと軽々しく即答できるわけが無い。 きっと後先考えず、性欲の赴くままに娘たちに子種を植え付けたのだろう。 そうしてまりさはおうちに住み着き、次の日には赤ちゃんゆっくりが産まれ落ちた。 娘全員から5~10匹産まれたので相当な数の赤ちゃんでおうちは満たされた。 窮屈に感じられたが、元々広い洞窟なので生活するのに不都合はなかった。 それでも跳ねるときは赤ちゃんを潰さないように細心の注意が必要になったが。 「おばーちゃんゆっくちしていっちぇね!」 「おばーちゃんいっしょにゆっくりちようね!!」 と身体を摺り寄せてくる孫はとても可愛くてゆっくりできていた。 だが同時に、この可愛い孫達のために大量の食べ物が必要だと思うと不安が募るばかりだった。 念のために貯蓄しておいた食べ物だって二日と持たないだろう。 なので巨大れいむはまりさに食べ物集めを手伝うようにお願いしたのだが、 「まりさはあかちゃんのせわするからむりだよ! またこんどね!」 と断られ、娘や孫達には 「おかーさん、あかちゃんのたべものおねがいね!」 「がんばってねおかーさん!」 「ゆっくりまってるよ!!」 「ほら、あかちゃんたちもおねがいしてね!」 「「「おばーちゃん、ゆっくちたべものちょーだいね!!」」」 「まりさのぶんもわすれないでね! おおめにね!」 と頼まれた巨大れいむは可愛い娘や孫達の頼みならば仕方ないと一匹で食料調達に出かけた。 最後のまりさの頼みにはイラっと来たが、怒りを露にして赤ちゃん達を怯えさせるのも良くないと思って我慢した。 明日には一緒に食べ物を集めてくれるだろう、そう信じて巨大れいむは食べ物を集めた。 しかし次の日も、また次の日も、そしていつまで経ってもまりさも娘達も食べ物集めを何かと理由付けて手伝ってくれなかった。 そうしている間に赤ちゃんゆっくりは子ゆっくりサイズにまで成長した。 それぞれ食べる量も多くなり、巨大れいむ一匹で集めた食料だけではもう足りなくなっていた。 なので娘達には子を連れて引越ししてもらおうと思ったが、その旨を伝えようとした矢先に娘達とまりさはまた次の赤ちゃんを産み出していた。 これ以上赤ちゃんが増えると食べ物が足りなくてゆっくり出来ないからすっきり禁止と伝えていたのにも関わらずだ。 当然巨大れいむは娘達を責めたが、 「かわいいあかちゃんをみるとゆっくりできるよ」 「すっきりをがまんしたらゆっくりできなかったよ。だからすっきりしたんだよ」 などと訳の分からない言い訳が返ってきた。要は自分勝手な理由で赤ちゃんを産んだのだ。 さすがの巨大れいむもこれには呆れるしかなかった。 娘達はまた可愛い赤ちゃんが産まれたと、孫は妹が出来たと喜んでいたが、巨大れいむは全く嬉しくなどなかった。 確かに目の前の赤ちゃん達はとてもゆっくりした赤ちゃんで愛らしい。 しかしながら巨大れいむにとって赤ちゃんはこの状況下において負担でしかないのだ。 それから三日経った今、巨大れいむはこうして溜息をついているわけである。 巨大れいむは二度目の赤ちゃんゆっくりが産まれてからはほとんど休まず食料調達に出かけた。 朝は日が昇る前から出かけ、 昼は娘達に集めた食べ物を渡すと十分ほど休んでまた出かけ、 日が暮れる前に戻って疲れを取るためにすぐ眠りに付く。 ゆっくりする暇なんてとてもじゃないが無かった。 しかし疲れが溜まっていたのだろう。 娘の育て方に後悔して溜息している間に巨大れいむは深い眠りについてしまったらしい。 目が覚めると夕暮れ時だった。 本来なら夕食を持ち帰ってきているはずの時間だ。 だが昼寝をしてしまったので当然食べ物などあるわけが無かった。 「ゆ…ゆっくりねたけっかがこれだよ…」 初めは焦った巨大れいむだったが、一食ぐらい抜いても大丈夫だよねと結論付けた。 何よりも今日まで毎日休まずに食べ物を探しに出たのだ。半日ぐらい休んだっていいはずだ。 ところが夕飯は運んでもらうのが当たり前の娘や孫達からすればそんなの勝手な理由でしかない。 巨大れいむはおうちに勢揃いした家族達に口々に文句を言われ、責められた。 「なにかんがえてるの! あかちゃんがおなかすいてるよ!!」 「れいむもいっぱいあそんでおなかすいてるんだよ!」 「これじゃゆっくりできないよ! おばーちゃんはゆっくりできないね!!」 「おなかちゅいたよ! おかーちゃんたべものはー?」 「ほら! おかーさんがさぼるからゆっくりできないよ!!」 「まりさはおこってるよ! やることやらずにゆっくりしないでよね!」 「ゆ"…」 なんでここまで怒られるのか全く分からなかった。 毎日ゆっくり遊んでるだけのくせにどうしてそんな事を言えるのだろう。 今までゆっくり出来たのは自分がゆっくりせずに頑張ってきたからだ。 それなのにちょっとゆっくりした結果がこの罵詈雑言の嵐である。 夕食を用意出来なかったのは確かに悪かったとは思ってる。 だがここまで言われるような悪い事をしたのだろうか。 何も一食抜いたぐらいで死にはしないし、我慢できなければ周囲の草木を食べれば十分のはずだ。 だからこそいつまでも続く娘や孫達からの罵倒に巨大れいむはイラつき始めていた。 「おかーさんはほんとつかえないね!」 「さいきんはたべものすくないし!」 「そうだよ! さいきんおなかいっぱいになれてないよ!!」 (それはあかちゃんをふやすからとりぶんがへったんだよ) 「こどもとあかちゃんがおなかすいてゆっくりできないよ!」 「たくさんたべものもってこないからだよ!!」 「おばーちゃん、おなかちゅいたよ!!」 「たべものもってこないおばーちゃんはきりゃいだよ!!」 (たべものもってるときだけあまえてくるおまえたちなんてれいむもすきじゃないよ) 「たべものもってくるぐらいちゃんとしてよね!」 「なんでそんなこともできないの!」 「れいむたちでもやればできることだよ!?」 (やったこともないくせにかんたんなんてよくいえるね) 「ほんとだめなおかーさんだね!」 「まりさもゆっくりしてないでなんかいってよ!!」 「ゆ! まりさはあたまいいからしってるよ! しごとしないならゆっくりするけんりはないんだよ!!」 (そうだよね。たしかにまりさのいうとおりだよ。 しごとしないならゆっくりするけんりなんてないよね) 「ゆんっ、こんなおおきいだけのむのうなれいむはしんでね!」 まりさがニヘラと笑顔を浮かべて体当たりしてきた。 まりさの頭の中では巨大れいむを吹き飛ばす光景が見えているのだろう。 巨大れいむは微動だにせず、可哀想なぐらい軽い体当たりを悠々と受け止めた。 そして間髪入れずにまりさに噛みつき、歯で締め上げた。 「ゆ"っ!? あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"っ!!」 まりさは巨大れいむの歯に挟まれ、痛みに悶える。 だが体に食い込むほど強く噛みついているのだから逃げられる訳もない。 出来ることと言ったら、外に出てる口で必死に悲鳴を上げるぐらいだ。 「なんでごんなごどずるのぉぉぉぉ!!!」 「まりざをはなじでえぇぇ!!」 「おがーさんひどいよぉぉぉぉ!!」 周りの娘達が何だか煩いのでまりさを離してやることにした。 ペッと唾を吐き出すのと同じ要領でまりさを地面に吐きだした。 「ゆぎっ! ゅ"、ゆ"ぅ"…」 地面に落とされたまりさは体をガクガクと震わせ、大粒の涙を流しながら這いつくばっていた。 歯形が残っているとはいえ普通のゆっくりならこの程度の痛みでここまで苦しむことはない。 だがゆっくりしすぎたまりさは痛みに慣れておらず、大袈裟なほど苦しんでいた。 つい数秒前まで生意気言っていたくせに今は惨めでしかなかった。 「まりさー!」 「ゆっくりだいじょうぶ?」 「いたいのゆっくりとんでってね!!」 「おかーさん! まりさになにするの!!」 まりさに駆け寄った娘たちはまりさを庇うように巨大れいむの前に立ちはだかった。 何で目先のゆっくりやすっきりしか見えないまりさを庇うのだろう。 元はと言えばこのまりさが娘たちをすっきりさせなければ食べ物に困らなかったし、 このまりさが食べ物集めを手伝ってくれれば食糧事情も少しは楽になったろうに。 いや、この娘たちはそんなの分かってないのだ。 娘たちはこのまりさと同じで目先のゆっくりしか見えていない。 そしてこんな娘に育てたのは他でもない自分だ。 ああ、そうか。 そこまで考えた所で巨大れいむはようやく理解した。 これまで娘たちを甘やかしていたからこそ自分がゆっくり出来てなかったということに。 娘たちが子供を連れて引っ越さないのも、 まりさがいつまで経っても食べ物集めを手伝わないのも、 自分が文句も言わず、叱りもしない結果だったんだ。 「あまやかしたけっかがこれだよ…」 「ゆ? なにいってるの!」 「そんなことよりまりさにあやまってよね!!」 「あとたべものもいまからでいいからとってきてよね!」 俯いていた巨大れいむは口の減らない娘たち、そして孫達を強い意思の宿った瞳で睨みつけた。 その強い視線に娘達も孫も、そして呻くだけのまりさも目を合わせられず黙り込んだ。 そして巨大れいむは娘達に告げる。 「ゆっ、きめたよ。 れいむはもうみんなのためにたべものをはこばないよ。 あしたからはじぶんでたべものさがしてね」 巨大れいむはようやく決心したのだ。 もう娘たちの世話はしない。 これからは娘たちに娘たちの家族を養わせる。 まりさには特に働いてもらおう。 何しろこれだけの子供や赤ちゃん達共通の親なのだから。 「たべもののおおいばしょはおしえてあげるからがんばってね」 「ゆっ! まってよ!!」 「そんなのなんでれいむたちがやらなきゃいけないの!!」 「そうだよ! たべものなんておかーさんがもってくればいいでしょ!!」 「さぼろうとするなんてゆっくりできてないね!!」 「やるきがないならおうちからでていってね。 しごとしないゆっくりはゆっくりするけんりはないよ」 「なにいってるの!」 「れいむはおこったよ! あかちゃんだっているんだよ!!」 「でてくならおかーさんがでてってね!!」 「とにかくきめたことだよ。 れいむはでていかないし、おまえたちがみんなのせわをすることもかわらないよ。 ゆっくりりかいしてね」 その後もゆーゆーと煩い娘たちだったが、 日が完全に暮れて真っ暗になると一匹、また一匹と眠りについていった。 まりさはその間もずっと痛みで泣いていた。異常なほど打たれ弱いまりさだ。 そこまで確認して巨大れいむも眠りについた。 翌朝。 日が昇り始めたころに巨大れいむは目を覚ました。 娘たちは今までかなりの遅起きだったようだがこれからはそうはさせない。 食糧調達に出かけてもらうまりさと娘たち、さらには子ゆっくり達を舌でつついて起こした。 「ゆぅ、なに? なんなの?」 「おばーちゃん、にゃんなの? じゃまちないでね…」 「まだおきるじかんじゃないよ。ゆっくりねさせてね」 「ねむりをじゃまするなんてゆっくりできないね!」 「たべものさがしにでかけてね」 「なにいってるの? ばかなの?」 「それはおかーさんのしごとで…ゆ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"ぅ"!?」 巨大れいむは一匹の娘に噛みつくとおうちの外へと投げ飛ばした。 そして他の娘たちも次々と投げ飛ばす。 「なにするの! まりさのれいむにらんぼうしないでね"っ!?」 もちろんまりさも投げ飛ばした。 娘たちよりも気持強めに噛みついておいた。 「い"だい"ぃ"ぃ"!! まりざにもらんぼうじないでぇぇぇ!!」 「いたいのがいやならたべものさがしにいってね」 まりさも娘たちも震えて泣きながら頷いた。 痛みに慣れてないのは娘たちも同じで、体罰はよく効いたようだ。 「あかちゃんはれいむがせわみてあげるからほかのみんなはたべものさがしてきてね」 赤ちゃんはまだ外に出すつもりはない。 赤ちゃんの仕事はゆっくり育つことなのだから。 しかしこれで面白くないのは赤ちゃんではない子ゆっくりだ。 「なんでれいむもいかなきゃいけないの!」 「いもうとはなんでいかなくていいの!?」 「そうだよ! おばーちゃんずるい!!」 妹である赤ちゃん達はゆっくりしていいのに姉である自分がダメなのか分からないらしい。 いや、この環境下で育った子供達が分からないのも当然か。 しかしだからといってここで甘やかしたら自分の娘のように働かないゆっくりに育ってしまうかも知れない。 巨大れいむとしては自分の犯した過ちを繰り返したくなかった。 といっても小さい孫に娘と同じような体罰は出来ない。 自然と外に行きたくなるよう説得することにした。 「ゆっ! だいじょうぶだよ。 おかあさんについていくだけだからゆっくりできるよ。 ゆっくりぴくにっくしてきてね」 「ゆ? ゆっくりできるの?」 「おかあさんとぴくにっく? ゆっくりできそう!」 「ゆーん! おかーさんゆっくりいこうね!」 「ゆ、ゆん…ゆっくりいこうね」 実の娘が自分とのピクニックを楽しみにする姿を見た娘たちは諦めがついたようだ。 むしろ子供の様子を見て外に出かけるのもいいかもと思ったのかもしれない。 「ゅー? れいみゅたちはどうしゅればいいの?」 「ゆっきゅりまってればいいの?」 「まりしゃもおかーしゃんといっしょにいきたいよ!」 「おちびちゃんたちはおるすばんだよ。 おかーさんがたべものもってきてくれるからあんしんしてね」 「ゅゅー! おかーしゃんがもってきちぇくれるの!」 「ゆっきゅりたのしみ!」 「いっぱいもってきちぇね!!」 「ゆ! わかったよれいむのあかちゃん!」 「ゆっくりまっててね!!」 赤ちゃんの声援のおかげで娘達はやる気が湧いてきたようだった。 これは良い傾向だ。 どうなるかと思って不安だった巨大れいむも今は胸のつかえが取れたような清々しさを感じていた。 その後は赤ちゃんと共に娘たちとその子供、それとまりさを見送った。 「おひるにはかえってきてね!」 「おかーしゃんまっちぇるよ!!」 「ゆっくりいっぱいもってきちぇね!!」 「ゆっ! あかちゃんのためにがんばるよ!!」 「ゆっくりまっててね!」 娘達は赤ちゃんの応援を受けて嬉しそうに駆けていった。 食べ物のある場所はすでに教えてある。 そう遠くは無いし、あそこは外敵もいないから大丈夫だろう。 ただひとつ心配なのはまりさがずっと乗り気ではなさそうだったことぐらいか。 だが今までゆっくりし続けていた娘たちは巨大れいむが思っていたよりもゆっくりしすぎていた。 お昼過ぎになっても帰ってこなかったのだ。 そうなれば当然赤ちゃん達はお腹を空かせて喚きだす。 「おばーちゃんおなかへっちゃよ!」 「おかーしゃんがかえってこないよ? どうちたのー?」 「おなかがへってちからがでにゃいよ!!」 「ゆぅ…」 一体どうしたというのだろうか。 お昼に戻るように確かに伝えたはずだ。 それに娘達は赤ちゃんのためにやる気を出していた。 もしや外敵に襲われたのだろうか? それとも何か事故でもあったのだろうか? 巨大れいむは娘の身に何かあったのかと大きな不安に襲われた。 良かれと思って娘達を外の世界に行かせたことは間違いだったのか。 しかし悩んでいても赤ちゃん達のお腹は膨れない。 仕方ないので赤ちゃんを連れておうちの周りにある草木を食べさせた。 非常食であり隠れ蓑でもあるのでなるべく食べたくないが、赤ちゃんをこれ以上飢えさせる訳にもいかなかった。 そうして赤ちゃんのお腹が膨れたが、その後も娘たちは帰ってこない。 赤ちゃん達が不安がって泣き出したりもしたので巨大れいむはその対応に追われた。 だが夕方になると娘達は巨大れいむの心配をよそに満足そうな顔して帰ってきた。 娘もその子供達もみんな無事のようだ。 巨大れいむは安心したが一応どうしたのか聞くことにした。 「ゆ! どうしてひるにかえってこなかったの? あかちゃんがおなかすかせてたいへんだったんだよ」 「ゆ、ゅー…」 何ともばつの悪そうな反応をする娘たち。 そういえば夕食のための食べ物を持っていないようだった。 「それにたべものはどうしたの? これじゃあきょうもゆうしょくぬきになるよ?」 途中で誰かに取られたのだろうか? それとも迷った? 巨大れいむはいくつかの答えを予測していたが、娘達の答えはその中でも一番最悪のパターンだった。 「ゆっ、ゆっくりわすれてたよ!」 「でも、でもしょうがないよね!! こどもたちとあそんでたんだよ!!」 「みんなでかけっこしてあそんだんだよ!!」 「そうだよ! それにれいむたちはたべものちゃんとたべてこれたんだよ!!」 「れいむたちはよるごはんをたべてきたからだいじょうぶだよ!」 「あかちゃんはゆっくりがまんしてね!!」 「ゅー! おかーしゃんおなかしゅいたよー!」 「にゃんでたべものもってきちぇないのぉぉ!!」 「これじゃゆっきゅりできないぃ!!」 「うるさいよ! おうちでゆっくりしてたあかちゃんはゆっくりだまってね!」 「おなかすいたならじぶんでとってきてよね!!」 ああ、何という。 何というバカ娘なのだろう。 巨大れいむは嘆くほかなかった。 言い訳ばかりで一番守るべき赤ちゃんに八つ当たりまでするなんて。 巨大れいむは口で叱るよりも前に娘達とまりさに対して次々とその巨体をぶつけていた。 「ゆっくりはんせいしてね!!」 「ゆぎぃっ!!」 「ゆぎゃ!」 「なにずるの…ぁ"ぅ"っ」 「ま、まりさはわるくないよ! わるいのはれいむうぅ"ぅ"ぎい"ぃ"ぃ"ぃ"っ!!!」 「おまえたちはおやとしてさいていのことをしたんだよ!! じぶんがゆっくりできればあかちゃんがゆっくりできなくてもいいの!?」 おうちに響く巨大れいむの怒声。 続くのは怒られた娘たちの、そして怒声に怯えた孫達の泣き声だった。 しばらくして娘達は泣きながら謝罪を始めた。 「ゆっくりごめんなざい"ぃ"!」 「あかじゃんごめんね"ぇ"ぇ"ぇ"!!」 「れいむだちがぜんぶわるいのぉぉ!!」 わんわん泣きながら娘は赤ちゃん達に謝った。 赤ちゃんも泣きながらお母さんに擦り寄っていた。 仲直りしたのはいいことだが赤ちゃん達の夕食が無いことに代わりはない。 どうしようかと巨大れいむが思案していたその時だった。 「ゆっ! もうこんなゆっくりできないところにいられないよ!! ゆっくりできないれいむたちはみんなしんでね!!!」 「ゆっ? どういうことまりさ!!」 「おまえたちのせわなんてかんべんだよ! まりさがゆっくりできないならこんなところにいてもしょうがないよ!!!」 ただ一匹謝らずに不貞腐れていたまりさがそんな叫びと共におうちを飛び出した。 巨大れいむはまりさを追う。 ただの癇癪なのかもしれないが、このまりさは妻と子供を見捨てようとしているのだ。 逃がすわけにはいかない。 まりさは逃げながら考えていた。 こんなはずじゃなかった。 まりさがあのおうちに忍び込んでれいむ姉妹と出会った時に聞いたのだ。 あの親の巨大れいむが全部の世話をしてくれる。食べ物も全部運んでくれるからゆっくり出来ると。 だからこそあのれいむ姉妹と乱交した後に立ち去らず、そのまま居残ったのだ。 妻や赤ちゃん達に囲まれて王様気分だったのに突然巨大れいむが食べ物集めろなんて変なこと言いだした。 なんで他のゆっくりのために働かなきゃいけないのか分からない。 赤ちゃんがどうとかあの巨大れいむは怒っていたが、赤ちゃんなんてまた作ればいいだけ。 所詮他のゆっくりは自分がゆっくり出来るための道具なんだ。 ああ、でももういいや。 もうあんなゆっくり出来ないゆっくり達とは別れてもっとゆっくり出来るパートナーを探すとしよ―――― まりさがれいむ家族との決別を決めたその瞬間。 まりさの背後から圧倒的な質量が圧し掛かってきた。 そして次の瞬間にはまりさの体は宙を飛んでいた。 (おそらをとんでるみたい) 吹き飛ばされたまりさはそんな危機感のないことを思いながら真っ直ぐ飛んでいく。 直後木の幹にぶつかってまりさの意識は途絶えた。 巨大れいむは気絶したまりさを咥えるとおうちへと持ち帰ることにした。 まりさに追いつくのは簡単だった。 体長の違いもそうだが、毎日娘や孫のためにあちこちを駆けていた巨大れいむとほとんど運動していなかったまりさとでは運動能力に差がありすぎた。 怒りにまかせてその場で潰してしまうことも考えたが、そんなんじゃ巨大れいむの気は収まらなかった。 おうちへ戻った巨大れいむはまりさをおうちの中央に置いた。 痙攣して気を失っているまりさを憎しみの篭った瞳で睨みつける娘と孫たち。 共通の夫、共通の親であるまりさが自分たち放って逃げようとしたのだ。恨まれて当然である。 巨大れいむはまりさの処罰について考えていた。 まりさをもし許したとしてもまたすぐに脱走を企てるに違いない。 許さないのは決定でいいとしてどうしたものだろう。 と、そこへ一匹の赤ちゃんが言葉を漏らした。 「おかーしゃんおなかしゅいたよ」 自分の空腹を自分の母親に伝えただけなのだろうが、巨大れいむはその言葉を聞いていいことを思い付いた。 この憎たらしいまりさに相応しい最後。それでいて実益のある処刑を。 食べ物を取ってこなかった罪、裏切った罪はその身で払ってもらえばいいのだ。 巨大れいむはうっすらと笑みを浮かべながら赤ちゃん達に話しかける。 「ねぇ、あかちゃん。たべものなら、あるよ」 「ゅ? どきょ?」 「ゆっきゅりたべものちょーだい!!」 「おばーちゃんだいちゅきー!!」 「たべものはね。これだよ」 巨大れいむは舌でまりさを示す。 頭の上に"?"を浮かべた家族だったが、 巨大れいむの考えが徐々に理解できた家族の顔が青ざめていく。 そして震えた声を出す。 「ゅ…でも、これ、まりさだよ?」 「まだ…いきてるよ。いきてる、まりさだよ…?」 「まりしゃおかーしゃんはたべものじゃないよ!」 「おかーさん…? なに、かんがえてるの…」 「まりさはたべものとってこなかったよ。だからまりさはたべものになってもらうよ」 「で、でも…」 「まりさをたすけたいの? このまりさはみんなをうらぎったんだよ? そんなまりさはたべられてとうぜんだよね?」 巨大れいむの真っ黒な瞳が娘たちを映した。 まるで捕食者に睨まれているような気分だった。 この提案を断ったら自分も食べ物にされるんじゃないかという恐怖が娘達を襲う。 「あ、あかちゃん。まりさを、まりさをたべてね!」 「ゅ? でもまりしゃおかーしゃんは…「いいからゆっくりしないでたべてね!!」 「ゅゅーっ! た、たべりゅよ!!」 母への恐怖が娘を突き動かした。 娘たちは怯えた声で赤ちゃんに親食いを命じた。 数十匹の赤ちゃんは親に従ってまりさの体に被さった。 そして小さな口で啄むようにまりさを食べていく。 少しずつ少しずつ食べられていく痛みにまりさは不幸にも目を覚ました。 「ゆぎぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!? い"だい"ぃ"ぃ"ぃ"ぃ"!!!!!」 全身至る所を噛み千切られる痛みに悲痛な叫びをあげる。 体を転がして痛みの原因を取りはらおうとするが、赤ちゃんが数十匹纏わりついているのだ。 力が弱く根性も無いこのまりさは身動き取れずにいた。 「なんでぇぇぇ!! なんでまりざをだべるのぉぉぉぉお!!!?」 「まりさはいったよね。 しごとしないならゆっくりするけんりはないって」 「ゆぎっ、ゆぎゅぶぉおぉおぉぉごおぉ!!!」 口を開いた結果、上唇も下唇も別の赤ちゃんに噛みつかれたようだ。 話しかけた巨大れいむの方に視線を向けているので一応聞いているのだろう。 「まりさはまいにちゆっくりばかりでしごとしなかったよ。 あかちゃんがふえてもゆっくりあそぶだけ。 きょうもたべものわすれてゆっくりあそんだんだよね?」 「おごおぉぉぉ!! ぼぎょっ、ぼごっ……!!」 まりさは涙をボロボロ流して巨大れいむに助けてとアイコンタクトで訴えかける。 開いた口から数匹の赤ちゃんが入りこんで、口の中からまりさは食べられていた。 歯茎の辺りなど美味しいのか剥がすように食われていた。 さらにまりさの片目は赤ちゃんの小さな口でちまちまと齧られている。 もう片方の目もそろそろ噛みつかれるだろう。 「でもまりさはさいごにこうしてしごとができたよね」 「………」 「たべものはもってこなかったけど、たべものになってくれたね」 「………」 まりさはもう口内をことごとく食い荒らされて喋れない。 眼球は瞳から食い破られ、中身を吸われるように食されてもう何も見ることが出来ない。 音だってもう聞こえないのかもしれない。 娘たちやその子供はおうちの隅で泣いて震えながらその惨状を見ていた。 巨大れいむもまた、心がすっきりするのを感じながら黙って見ていた。 「むーちゃ、むーちゃ、ちあわせー!」 「まりしゃおかーしゃんおいちーね!!」 「ゅゅー、こっちもおいちーよ!!」 おうちの中には善悪の無い赤ちゃんによるまりさの味批評の声と咀嚼の音、あとは娘達のすすり泣く声だけが響いていた。 それから時間にして30分程度だろうか。 まりさは数十匹のプチトマトサイズの赤ちゃんに非常にゆっくりと食べられた。 ハーレムの王を気取っていたまりさは僅かな食べかすと帽子を遺してこの世からいなくなった。 赤ちゃん達は満腹になってスヤスヤとお休みモードだ。 罪悪感なんてないのだろう。とても満足そうな表情を浮かべている。 娘たちと子ゆっくり達はというとゆっくりの捕食シーンを目の当たりにして怯えていた。 何よりも巨大れいむに怯えていた。 確かにまりさが自分たちを見捨てようとしたのは許せない。 でもそれに対する罰は袋叩きにして追放する程度だと考えていた。 しかしお母さんである巨大れいむはどうだ。 お腹を空かせた赤ちゃんにまりさを食べさせたのだ。それも生きたままのまりさを。 そんなことをさせるお母さんが何よりも恐ろしく、身の危険すら感じていた。 対して巨大れいむはドス黒い快感にすっきりしていた。 あの憎いまりさが自分の赤ちゃんに食べられて体の崩れていく様はこの上なく興奮できた。 何だか物足りない気もしたが、これで赤ちゃんも満腹になれたし働かないまりさもいなくなった。 娘たちも反省しているようだし全てが上手くいったんだ。 巨大れいむはそれを確信し、幸せな気分のまま眠りについた。 翌朝、娘と子供達は昨日と同じように食糧調達に出かけた。 巨大れいむと赤ちゃん達は笑顔で見送ったが、娘達は二度と帰ってくることは無かった。 遊び呆けて赤ちゃんの世話を忘れた昨日とは違った。 恐ろしい母とはもう居られない。 生きていたまりさを食べ、同種の味を知った赤ちゃんも連れていきたくなかった。 それゆえに子を連れて旅立ったのだ。 こうして甘やかされた娘達は巨大れいむの意図しない形で独り立ちを果たした。 子と共に食糧調達に出かける楽しみを知った彼女たちはもう大丈夫だろう。 きっと野生に生きるゆっくりとして生き、野生に生きるゆっくりとして死ぬのだ。 一方おうちに残るのは巨大れいむ一匹になっていた。 辺りには孫の赤ちゃんの名残である飾りが散らばっている。 巨大れいむが食べ物を探しに出かけている間に赤ちゃんは共食いを始めた。 生きたまりさを食べさせたのが間違いだった。 同種の味を知っただけでなく、悪いことをしたゆっくりは食べ殺してもいいと勘違いしたのだ。 お腹の減った赤ちゃんは巨大れいむが出かけている間にちょっとしたことで姉妹を悪者に仕立て上げた。 それは「ぶつかってちょっといたかった」とか「じぶんのおもちゃ(小石)をとった」だとかほんの些細なことだ。 そしてお互いに悪いゆっくりを食べた。 そしておうちに戻った巨大れいむに最後に残った赤ちゃんが噛みついた。 巨大れいむはそれがまりさ種だと確認すると、自分の顎に食いつく赤ちゃんまりさをそのまま壁に押し付けて潰した。 巨大れいむは深い溜息をつく。 自分はどこで間違ったのだろうか。 甘やかした娘達を更生させようとした結果がこの孤独だ。 寄生虫のようなまりさは処刑してやった。 なのに娘達は食べ物を探しに行ったきり行方知れずになった。 そして孫達はどうしたことか共食いして全滅した。 ああ、なんということだろう。 結局自分は家族を崩壊させてしまっただけじゃないか。 取り返しのつかないことをしてしまったと巨大れいむは嘆いた。 だが巨大れいむは気付いていなかった。 娘達は形だけではなく本当の親としての第一歩をしっかりと踏み出せていた。 その点で言えば巨大れいむは間違ってなかったのかも知れない。 しかし巨大れいむがそのことに気づくことは永遠にない。 結局巨大れいむは死ぬ間際までどこで何を間違えたのかと後悔し続けた。 終 by ゆっくりしたい人 巨大れいむに運命の分岐点があるとすれば逃げたまりさに追いついた時。 このSSに感想を付ける
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さく キャベツ頭 ご注意 舞台は現代です。お察しのとおり、うんうんに関する描写がメインです。 しんしんと牡丹雪が降り積もるなか、僕は家路をいそいでいた。 自宅でゆっくりの家族を養っているのだが、ヒーターのスイッチを入れてきたかどうか、怪しかったからだ。 ゆっくりはおまんじゅうだけあって、寒さに弱い。カチコチになってしまうのだ。 息を切らせて帰宅すると、予想どおりに、一家は部屋の隅に身を寄せ合って、ガタガタ震えていた。 「おおおおおにいさん!!さささささむくてゆっくりできないよおおおおお!!!」 「ごめんごめん。今、ヒーターのスイッチを入れたから」 温風がふきつけて、部屋が次第に暖まってくる。当初、歯の根が合っていなかったゆっくりたちも、 表情がやわらいできて、おもむろにゆっくりとしはじめた。 お母さんまりさとれいむ、子まりさが二匹、子れいむが二匹。一家そろっての、ゆっくりしたひととき。 だが、一匹の子まりさだけが、こわばった顔をしたままだ。不審に思った親れいむたちが声をかける。 「ちびちゃんどうしたの?おかあさんといっしょにゆっくりしようね!」 「おねえちゃん、ゆっくりしていってね!ぺーろ、ぺーろ」 親と姉妹が子まりさをあやし、ぺろぺろとなめて、ゆっくりさせようとするものの、反対に子まりさは涙を流しはじめた。 脂汗をたらりたらりと流し、何かを必死にこらえている様子の子まりさ。 我が子の異常事態に、ゆっくりとようやく気がついた親まりさが、特有の間抜けな音を立てて、こちらに跳ね寄ってくる。 「おにいさん!」 「ん、どうしたの、まりさ。相変わらず、間の抜けた音で跳ねるね」 「ゆ゛っ゛…!!まりざのことはいいから、ちびちゃんをみてあげてね!!ようすがおかしいんだよ!!」 僕の一言に涙目になりながらも、子供が気になるのだろう、あえて反論せず、下手に出るまりさ。 そもそも僕は、こうしてゆっくりをいじめる為に、飼っているのである。もちろん殺しはしない。 殺してしまえば、ゆっくりから反応が返ってこなくなるのだし、何より、また調達せねばならない。 生かさず殺さず、適度な虐待を心がけるのが、「余裕派」虐待お兄さんのたしなみなのだ。 「あっそう。見てやってもいいけれど、高くつくよ」 「まりさたち、なんでもするよ。ちびちゃんをたすけてあげてね」 「それじゃ、君の帽子をもらうことになるよ」 「ゆ゛っっ!?」 ここではじめて、親まりさにためらいが生じた。ゆっくりにとって、リボンや帽子などの装飾品は、 命の次に、いや、ある時は命よりも大切な宝なのだ。子供の命も大切だが、秤にかけられるものではない。 親まりさは悩んだ。ぎりぎりと飴細工の歯で歯ぎしりをし、涙を流した。そして決断する 「ゆっぐじわがっだよ…おにいざん、ばりざのおぼうじをもっでいっでね!!ぢびぢゃんのいのぢにはがえられないよ!!」 「よく言った!」 まりさは、我が子の命を選んだ。しおらしく、頭頂部をこちらに突き出すまりさ。 そんな健気な様子が、なぜか逆に苛立たせる。ゆっくりという生き物特有の、大袈裟さとでも言おうか。 僕は腹立ちにまかせて、なんとなく、頭を突き出すまりさを踏んづけた。 「おにいざん、ゆっぐじはやぐおぼうじをもっでいっでね………ゆぎゅっ!!」 「ばりざああああああああああああ!!!」 子供を看病していた親れいむが、遠巻きに絶叫をあげる。このやかましさも、ゆっくりいじめの醍醐味ではある。 踏んづけていた足をどけると、まりさの帽子は見事につぶれていた。先端をつまんで引っ張ると、ジャバラのようになっている。 うん、たった今からこいつの名前はジャバまりさだ。 「ば…ばりざのおぼうじが………ゆわああああああああん!!ゆ゛ぎゃあああああああん!!!」 ジャバまりさは子供の前で、大声をはりあげて泣き出した。これはなだめてやらねばならない。 「泣くなって、バカまりさ。ほら、お帽子がアコーディオンみたいだぞ。うるっさいアコーディオン」 「ばじざあごーでお゛ん゛じゃないいいいいいいい!!ぞれにいま、ばがっでいっだでじょおおおおおおおおおお!!!」 わりと耳ざといジャバまりさ。ごまかそうと、帽子をつまんで引っ張ったりつぶしたりする。 「はっはっは。バレてはしかたない。ホラ、びよーーーーーーーーーーーーん」 「や゛べろ゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!!!」 それからたっぷり一時間は、まりさの帽子をつかって遊んであげた。ふと、様子がおかしいという子まりさのことを思い出し、 泣きじゃくるジャバまりさを残して、容態をたしかめてやることにした。 「れいむ、子まりさは大丈夫かい?」 「ゆ゛っ゛、おにいざん、おぞいよ!!お゛な゛ががいだぐでぢびぢゃんがぜんぜんゆっぐじでぎでないよ!!!」 「それはそれは」 好都合、と言いそうになるが、うるさくされると少し困るので、口をつぐむ。 問題の子まりさは腹が痛いらしく、紫色になって震えているではないか。 トマトサイズのパープルまんじゅうが、バイブレーターのように震えているところを想像してみてほしい。 僕は「超きめぇ!」と、いたく真っ当な感想を抱いて、子まりさを蹴っ飛ばした。バコッと。 「ぎゅぴっ」 「ぢびぢゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!」 「「「お゛ね゛ぢゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ん!!!!!」」」 子まりさは部屋の隅にふっ飛んでいき、壁にぶつかって、うつ伏せになった。「あにゃる」をこちらに向けた格好だ。 親れいむたちの絶叫もそれを追って、律儀に壁にぶつかり、部屋中に反響する。 ジャバまりさはまだ、帽子をつぶされ、遊ばれたショックから立ちなおっていず、泣きながら震えている。 「どぼじでごん゛な゛ごどすづの゛!!!!!」 母れいむ、怒りのアフガン。ではなく体当たり。ぽこん、ぱこんと、これも間抜けな効果音だ。 だが、子まりさの様子が気になったので、むんずとつかみ上げ、ジャバまりさのいるほうへ放り投げる。 すると、まりさのドタマに見事命中。ジャバの帽子は、さらに形が変わって、シュール・アートのオブジェっぽくなっている。 その場で、二匹が口論をはじめた。口汚く、伴侶を罵りあうゆっくり夫婦。睦まじかった昔はどこへやら。 げらげら笑いながら見ていると、そこへ、さっきから空気だった、腹痛まりさ以外の子ゆっくりがやってくる。 「おにいさん、まりさのようすがへんだよ!!ゆっくりしてないよ!!」 「おねえちゃんのようすをみてあげてね!!ゆっくりたすけてあげてね!!」 「ゆっくりさせてあげてね!!おかあさんたちもとめてね!!」 まことに注文の多いおまんじゅうだ。だが、確かに子まりさの様子は尋常じゃない。振れ幅がすごいことになっている。 こいつを家庭用ゲーム機のコントローラーに、振動パックとして取り付けられないだろうか。 ロクヨンのアレは、別売で高くついたっけなあ……。 それぞれに騒ぎ立てる一家を尻目に、考えに耽っていると、唐突に腹痛まりさがしゃべった。 「も…がまんできないよ…まりさはゆっくりするよ……」 さきほどから、お尻(後頭部だけど)をこちらにむけて、うつ伏せになっていたまりさ。 言うが早いか、あにゃるがムリムリと音を立てて裂けはじめ、そこから、水気の多い餡子が噴き出した。「うんうん」だ。 思わず、僕は飛びのいていた。そのせいで、飛来した下痢餡子が、子ゆっくり姉妹の顔面に降りかかった。 「ゆっ?これはなあに?」 「まりさがうんうんしてるよ!」 「うんうん?」 「ごれ゛う゛ん゛う゛ん゛だあ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 「ゆ゛ぎゃ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!」 子ゆっくりたちが恐慌状態に陥る。とは言うものの、その場でぴょんぴょん跳ねたり、ぐるぐる回るだけだから、 下痢うんうんを撒き散らし続ける、腹痛まりさの餌食であることに変わりない。 ブリッ!ブビッ!バビッ!ブツッ! ものすごい音を立てて散布される、腹痛まりさの下痢Pうんうん。普通なら、いくら下痢をしているとはいえ、 そこまで飛距離が出るわけではない。しかしこの場合、裂けた肛門の痛みに耐えようと、 腹痛子まりさが「あにゃる括約筋」に力を入れ続けるため、その圧力で、ゆるい餡子は勢いよく射出されてしまうのだ。 言うなれば、腹痛子まりさうんうん鉄砲地獄篇。だが、体の小さな子まりさのことである。砲撃は既にやんでいた。 勢いよく餡子を射出し続けて、皮だけになったまりさ。下痢うんこまみれのゆっくり姉妹はそれを眺め、茫然自失状態だ。 親ゆっくりはまだケンカを続けている。やめようとする気配がないので、あにゃるの裂けた、まりさの皮をつまんで、 二匹の間に放り込んでやる。 「へ゛ぢゃ゛む゛ぐれ゛の゛れ゛い゛むはゆっぐり゛じないでじね!!!……ゆ゛っ゛!?」 「ぐざぐでう゛ずぎだない゛ぼうじのばりざごぞじね!!!…ゆ゛ゆ゛っ゛!?」 投げ込まれたモノを、不思議そうに、しげしげと見つめる二匹。とどめとばかり、しわくちゃになった子まりさの帽子を投げる。 「ゆ゛っ゛!!!!ぢびぢゃ゛ん゛!!!!べんじじでええええええええ!!!」 「おがあざんだよお゛お゛お゛お゛お゛お゛お゛!!!りっぱなおぼうじのおがあざんなのにい゛い゛い゛い゛い゛!!!!」 皮+帽子=我が子と悟り、泣き叫ぶれいむとジャバ。両親の叫び声を聞いて我に返ったのか、ゆっくり姉妹までが泣き始めた。 ようやく分かったのだが、寒さにやられた子まりさは、風邪をひいてしまい、その一症状として下痢をしたものらしかった。 比較的行儀のよい子ゆっくりだったから、その場でうんうんを漏らすことができずに、僕が帰るまで持たせる気だったのだろう。 だが、いざ飼い主が帰宅してみれば、もはや手遅れの状態であり、言葉を話すことさえできなくなっていた。 後は説明したとおり、うんうんバズーカが炸裂してしまったというわけである。 掃除とゆっくりたちの後始末が大変ではあったが、これは大変面白い現象である。 下痢をするゆっくりのスカトロプレイにはまった僕は、それ以来、冬の間でもヒーターをつけずに過ごしている。 その甲斐あって、一番大きなジャバまりさが、情けないことに、真っ先に風邪を引き、下痢になった。 こいつは下品で遠慮を知らない個体だから、我慢の限界が来るまで、あにゃるにコルク栓をしている。 決壊の時が待ち遠しい。 このSSに感想を付ける
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「こなたってちっちゃいわよね」 「む、なにさイキナリ」 「いや、こうやって抱えてみると改めてそう感じるというか」 「むぅ……これでも去年よりちょっとは伸びたんだからね」 「へぇ、じゃあ今何センチなの?」 「………………143cm」 「ぷっ」 「ああーっ! 笑うなんてひどいよっ」 「だってあんたそれ、1cmしか伸びてないじゃないの」 「むぅ……そりゃそうだけどサ……でも、でも、私は嬉しかったんだもん……」 「はいはいごめんね、だからスネないスネない」 「むぅ……またそうやって子ども扱いするぅ……」 「だってちっちゃいんだもん、あんた」 「ま、まだそれ言うか……でもねかがみ」 「ん?」 「私が嬉しかったのは、単に背が伸びたからってだけじゃないよ?」 「え?」 「私の背が伸びれば、それだけかがみに近づけるから、だから……」 「こなた……」 「…………」 「……やっぱり、かわいい」 「け、結局そこにいきつくのね……ってかかがみ、苦しい、苦しいって」 了。 コメントフォーム 名前 コメント GJ!!(≧∀≦)b -- 名無しさん (2023-01-05 23 55 51) チビな子大好き -- 名無しさん (2010-08-23 16 47 45) こなた可愛いw -- 名無しさん (2008-11-20 14 28 16)
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おぼうしのなかにあったもの 37KB 「餡子ンペ09」 野生 群れ まりさ おぼうし ※餡子ンペ09出展作品です。 テーマ 4.群れ「ミニ社会化」……のつもり ※独自設定垂れ流し 「まりしゃも、もみもみしゃんほしいなあ……」 子まりさはぽつりとつぶやいた。 巣の中、四匹のゆっくりが身を寄せ合っていた。親まりさと親れいむのツガイと、その子 供の子まりさと子れいむだ。 子まりさと子れいむは、親れいむの二本のモミアゲそれぞれに優しく暖かに抱かれていた。 とてもとても、ゆっくりできる、家族の時間。 だが子まりさにはひとつだけ、ゆっくりできないことがあった。 それは自分にモミアゲがないことだ。 子れいむは親れいむのモミアゲが大好きだった。モミアゲで抱かれると、とてもとてもゆ っくりできた。 まりさ種にもおさげはあったが、れいむ種のモミアゲほど自由に動かせないし、一本しか ない。 自分が大人になったとしても親れいむのように子供を抱いてあげることができない。 それがなんだか、さびしかったのだ。 子まりさのそんなささやかな不満に、親れいむは困り顔だ。 そこに、親まりさが助け舟を出した。 「おちびちゃん。おちびちゃんにはもみもみがなくても、りっぱなおぼうしがあるよ!」 「ゆ? おぼうししゃん?」 「そうだよ! おちびちゃんのおぼうしは、とってもゆっくりできるよ!」 「もみもみさんよりゆっくりできる?」 「もみもみとおんなじくらいゆっくりできるよ! だっておぼうしには、たくさんの『ゆ っくりできること』をつめこめるんだからね!」 子まりさは親まりさのおぼうしを見上げた。 おぼうし。その中にはいつだって「ゆっくりできること」があった。 狩りから帰った親まりさのおぼうしの中には、いつだっていっぱいゆっくりできる食べ物 があった。おでかけのときにはおぼうしの中に入れてもらった。おぼうしの中はとっても ゆっくりできた。 子まりさは理解した。おぼうしは、ゆっくりできるものだ。 「おぼうしに『ゆっくりできること』をいっぱいつめこめば、みんなをゆっくりさせてあ げられる! もみもみはおちびちゃんをだきしめて、みんなをゆっくりさせてあげられる! おちびちゃんたちは、おとなになったらすっごくゆっくりできるんだよ!」 親まりさの言葉に、子供たちは大喜びだ。 「れーみゅ、おとなになっちゃらおかーしゃんみたいに、もみもみしゃんでおちびちゃん をだいてあげりゅんだ!」 子れいむはモミアゲをぴこぴこさせてはしゃいだ。 「まりしゃも! まりしゃも! おとなになっちゃら、おぼうしさんを『ゆっくちできる こと』でいっぱいにして、みんにゃをゆっくちしゃせてあげりゅんだ!」 子まりさはゆん、と胸をはり、おぼうしを誇らしげに掲げた。 そんな子供たちのほほえましい姿に、親ゆっくりは笑った。つられて子供たちも笑い出し た。 しあわせがあった。ゆっくりがあった。だから、みんなでいっせいに、元気よく叫んだ。 「ゆっくりしていってね!」 忘れやすい餡子脳だが、まりさはずっとこの日のことだけはわすれなかった。 おぼうしに「ゆっくりできること」をつめこんで、みんなをゆっくりさせてあげる。 その夢を見続け、ずっとがんばった。 そしてまりさは、その夢を実現させた。 おぼうしのなかにあったもの 「ゆ! ここがまりさがみつけたあたらしい『かりば』だよ!」 まりさの声が森の中に響いた。 おぼうしに「ゆっくりできること」をつめこみ、みんなをゆっくりさせることを夢みた子 まりさ。 今はすっかり成体ゆっくりまで成長し、独り立ちしていた。 そして今日、まりさは自分が見つけた狩場……すなわちきのこや木の実が豊富にある、と っておきの場所にみんなを連れてきたのだ。 「ゆゆ! いっぱいきのこさんがあるんだぜ!」 「わかるよー、きのみさんもいっぱいおちてるんだよー!」 「な、なかなかとかいはなかりばね! ありすもみとめてあげてもいいわ!」 一様に驚く群れのゆっくり達。満足げにみんなを眺めると、まりさは再び声を張り上げる。 「ここにくるまえにもいったけど、かりをするだけじゃなくてまわりの『とくちょー』を しっかりみてね! おんなじ『とくちょー』のばしょがみつかれば、そこがあたらしいか りばになるかもしれないよ!」 まりさは満面の笑みを浮かべた。 「そうすれば、みんなでもっとゆっくりできるよ!」 まりさが自分の狩場にみんなを連れてきたのは、ご馳走をするためだけではない。 他のゆっくりにも自分と同じように狩場を見つけてもらうためだ。 狩場がたくさん見つかれば、たくさん食べ物が集まる。そうすればみんながもっともっと ゆっくりできる。 「ゆっくりりかいしたよ!」 みんなも理解してくれた。 まりさはうれしそうにうなずき、そして楽しい狩りが始まった。 子供の頃の夢。 おぼうしに「ゆっくりできること」をつめこんで、みんなをゆっくりさせてあげる。 そのためにまりさは努力し続けた。全力でがんばった。 そして気づけば群れの人気者になり、みんなに推され、群れの長にまでのぼりつめた。 まりさは喜んだ。権力を得たからではない。群れの長なら、みんなをもっといっぱいゆっ くりさせられると思ったからだ。 長になってからも、まりさは群れのみんなのゆっくりのために尽力し続けた。 「まりさ! さいきんれいむのまりさがけがをしちゃって、ごはんがたりないの。なんと かならない?」 「ゆ! むれのたくわえをわけてあげるよ! れいむのまりさがげんきになったら、いっ しょにかりをしてたくわえをふやそうね!」 「まりさ! さいきんありす、すごくむらむらするの……れいぱーになっちゃったらどう しよう!?」 「おおきなきのしたにすんでるおねえさんありすが、じょうずな『ひとりすっきりー』の やりかたをしってるよ! おしえてもらって、まいにち『ひとりすっきりー』をいっぱい すればだいじょうぶだよ!」 「わからないよー! わからないよー!」 「だいじょうぶだよ、ちぇん! わかるまでいっしょにゆっくりかんがえよう!」 こうして、まりさは群れで起きる様々な問題を解決し、よりみんなをゆっくりさせた。 だが、時には簡単に解決できない問題にもぶつかることがある。 「むきゅ、まりさ。ちぇんとみょんがまた……」 「まだふたりとも、なかなおりしてくれないの?」 「むきゅん……」 ぱちゅりーが持ちかけてきたのは、ちぇんとみょんのケンカだ。両方とも身体能力が高く、 狩りがうまい。それぞれ競い合うのはいいことだが、それが原因で次第にいがみ合うよう になってしまったのだ。 まりさもぱちゅりーも何度か二匹が仲直りするよう諭したが、どうにもうまくいかない。 二人とも、ゆっくりするためにがんばっているだけなのに、どうして仲良く出来ないのだ ろう。難問だった。 だが、まりさは胸を張って見せた。 「ゆ! まりさにまかせてね! ゆっくりかんがえて、ふたりをなかなおりさせるよ!」 まりさの自信には理由がある。こうした悩みを解決する、とっておきの方法があるのだ。 ・ ・ ・ 「おにいさん、ゆっくりしていってね!」 まりさがやってきたのは、群れから一時間ほどの位置にある小さな山小屋だ。 まりさが声をかけると、おにいさんが出てきた。 山の中にある小屋には似つかわしくない、メガネをかけた細身の男だ。どこか学者を思わ せる風貌だった。その柔和な顔は、いつもまりさをゆっくりさせてくれる。 「やあまりさ。また何かあったのかい?」 「そうだよ! おにいさんにそうだんしたいことがあるんだよ!」 家の前の木の切り株におにいさんが腰を下ろすと、まりさはぴょんとひと跳びしてそのひ ざの上にのっかった。一人と一匹、どちらもなれた様子だった。 そして、まりさはぱちゅりーから相談された困りごと……狩りの成果を競うあまり、仲良 くしてくれないちぇんとみょんのことをおにいさんに説明した。 「…それで、ちぇんとみょんがゆっくりしてくれないんだ」 「まりさ。いつも言っているように、迷ったときはまりさが一番ゆっくりできると思うこ とを選ぶんだ」 「ゆーん……」 まりさは考え込む。 望むことはみんながゆっくりできること。みんなで、みんなで……。 そして、まりさはひらめいた。 「そうだよ! ちぇんもみょんも『きょうそう』してるからいけないんだ! 『きょうり ょく』すればいいんだよ!」 「へえ、どうするんだい?」 「ふたりでいっしょにかりにいってもらうんだよ! ふたりのとってきたものをあわせて むれのものにすればいいんだよ! いっしょにかりをすれば、ちぇんもみょんもあいての いいところがわかって、けんかなんかしなくなるよ!」 「でも二人はケンカしているんだろう? いっしょに行ってくれるかな?」 「そうだね、ゆーん……」 「仲直りを手伝ってくれるゆっくりがいればいいのにね」 「ゆ! そうだね! さいしょはまりさがいっしょにいくよ!」 ゆっくりは単純なナマモノだ。つまらないことでケンカしたかと思えば、簡単に仲直りす る。だが、そのきっかけはやはり難しいことだ。それは人間と変わらない。 まりさの考えたことは、そのきっかけ作り。群れの長であり、みんなと仲良くしているま りさがうまく立ち回れば、確かに成功しそうだ。 おにいさんも賛成してくれた。 「まりさはとってもゆっくりしたいいこだね」 おにいさんはやさしくまりさの髪をなでた。まりさはゆゆーんとうれしさに身をくねらし た。 こうしてほめられるとまりさはうれしくてたまらなくなる。でも今は、それに浸ってはい られない。 「さっそくかえって、ちぇんとみょんにはなしてくるよ!」 「うまくいくことを祈ってるよ」 「おにいさんありがとう! ゆっくりしていってね!」 「はい。ゆっくりしていってね!」 おにいさんの柔和な顔に見送られ、まりさは群れへと急いだ。 まりさとおにいさんが出会ったのは偶然だった。たまたま冒険気分で、まりさは山小屋に やってきた。 そこで、いつの間にか暮らし始めていたおにいさんに見つかったのだ。 初めはまりさは警戒した。人間はゆっくりできないと親ゆっくりから聞いていたからだ。 人間はゆっくりよりずっと強い。いい人間もいるが、悪い人間もいる。悪い人間はあまあ まを餌にゆっくりを誘い込み、とてつもなくゆっくりできないことをする、などなど。 ゆっくりとしては賢い親に、人間に対するそれなりに正しい知識を与えられていたのだ。 ところがおにいさんは、その知識からまりさのイメージしていた「にんげんさん」とは違 っていた。 「まりさ。こんにちは。ゆっくりしていってね!」 「ゆ、ゆっくりしていってね!」 柔和な顔で、優しく挨拶してくれた。 それに、まりさのことを食べ物で手なずけようともしなかった。 「まりさ。少し君とお話したいんだけど、いいかな? ああ、おびえないで。怖いなら近 づかなくてもいいよ。どうしても嫌なら逃げてもいい。でも、できたら……僕とお話、し てくれないかな?」 「ゆうう……」 初めはおっかなびっくりだったが、話すうちにまりさはこのおにいさんが悪い人間ではな いことがわかった。言葉は丁寧、話題もゆっくりできることばかり。 まりさは思いつくままに自分の生活を話し、おにいさんはそれにゆっくりした感想を言っ てくれた。小一時間も話せば、一人と一匹はすっかり仲良くなった。 それからまりさは、時折山小屋にやってきてはおにいさんとお話しするようになった。 だが、このおにいさんのことを群れのみんなに話したことはない。 おにいさんにお願いされたからだ。 「まりさ、おにいさんのことは群れのみんなには話さないで欲しいんだ」 「どうして? おにいさんはとってもゆっくりできるひとだよ! きっとおともだちがた くさんできて、もっとゆっくりできるよ!」 おにいさんは悲しげに頭を振った。 「おにいさんはひとりで静かに暮らしたくてこんな山のなかで暮らしているんだ。まりさ だけならいいけど、たくさん来たら落ち着けない。それに、人間を怖がるゆっくりもきっ といる。怖がられるのは、おにいさんにも『ゆっくりできないこと』だから……」 「ゆゆ~、そうだね……」 「でも、まりさ。君は大切な友達だ。暇なときでいいから来てくれて、僕の話相手になっ てくれると嬉しい。いいかな?」 「もちろんだよ! おにいさん、ゆっくりしていってね!」 「うん。ゆっくりしていってね!」 おにいさんは一度もまりさに食べ物をふるまうことはせず、まりさから食べ物をねだるこ とをしなかった。利害関係抜きの関係。それは本当の意味での友達ということだ。それが なおさらまりさを安心させてくれた。 今はこうして、困ったときは相談するような仲にまでなったの。 そして、群れの長にまでなれたのは、おにいさんとのおかげも大きかった。 まりさにとって、おにいさんはなくてはならない大切なお友達だった。 ・ ・ ・ おにいさんとの相談、なによりまりさのがんばりによって、群れの内部事情はどんどん改 善されていった。 群れのみんなは仲良くなり、協力することで食糧事情も良くなった。 それによってゆっくりの数は急速に増えた。30匹あまりだった群れは、今では100を 超えている。それでありながら、まだまだ増えるだけの余裕があった。ゆっくりみんなが 協力すれば、いくら増えても大条文なのだ。 大きくなった群れ。その長であるまりさは、おぼうしが重たくなったと感じた。当然だ。 まりさの決断には100を超えるゆっくりの運命がかかっているのだ。 だがまりさはそれを負担だとは思わない。むしろ誇らしく思った。おぼうしの重さは、群 れのみんなの「ゆっくりできること」が、つまっているとことの証。それはまさしく、ま りさが夢みていたことだ。 そんなまりさだったが、まだツガイを見つけてはいなかった。ゆっくりにしては珍しく、 成体になっても積極的に相手を求めようと話しなかった。まりさにとって群れのみんなが 家族みたいに思えるからさびしくはなかったし、長の仕事が忙しすぎたこともある。 だが、そんなまりさにも春が訪れた。 「まりさ! れいむはまりさと、ずっといっしょにゆっくりしたいよ!」 告白してきたのは幼馴染のれいむだった。ずっと仲良しだった。長の仕事もよく手伝って くれた。 突然の出来事に、まりさは目をぱちくりさせるばかりだった。今までれいむのことを、そ ういう相手としてみたことはなかったのだ。 だが、告白された瞬間、まりさの餡子を衝撃が駆け抜けた。 それは「しあわせー」だった。 今までどんなにおいしいものを食べても、どれだけゆっくりしても感じたことのない、衝 撃的な「しあわせー」。 まりさは群れをゆっくりさせればしあわせになれると思っていた。 でも、まだしあわせがあった。家族を持つこと。大好きな親れいむや親まりさのように、 かわいいおちびちゃんと暮らすこと。今までぼんやり考えていたそれが目の前に来たとき、 その「しあわせー」の大きさにまりさは驚くばかりだった。 「ま、ま、ま! ままままりさも! れれれれいむとずっといっしょにゆっくりしたいよ!」 どもってしまったが、どうにか答えることが出来た。 れいむは恥ずかしげに、でも嬉しそうに頷いてくれた。 まりさはまさに、しあわせの絶頂にあった。 ・ ・ ・ 「ゆふー、つかれたー。まりさ、ちょっとがんばりすぎちゃったよ……」 告白を受けた後、早速まりさはれいむをおうちに呼んだ。そこで、ある問題にぶつかった。 まりさの住むおうちはひとりで住む分には十分だが、家族で暮らすには手狭であることに 気がついた。 「ま、ま、まりさは! おうちをおおきくしたら、れいむをむかえにいくよ!」 「ゆっくりまってるよ、まりさ!」 思わずそんなかっこつけたことを言ってしまった。ゆっくりは告白直後にすっきりーも珍 しくないものだが、みんなのゆっくりのために心身を砕いてきたまりさはそういう方面に は奥手なのだった。 ここ数日、まりさはおうち作りに励んでいた。だが決して長としての仕事もおろそかには していなかった。 家族ができるとゆっくりはゲス化するのはよくあることだ。家族を一番に考え、他の優先 順位を極端に下げてしまう。頭が悪く視野の狭いゆっくりでは仕方ないことといえる。 まりさもれいむの告白に舞い上がりはした。だが、決して群れについて考えることを忘れ はしなかった。群れがゆっくりしていれば、家族もまたゆっくりできる。当たり前の、し かし多くのゆっくりが忘れがちなこの理屈を、長としての経験が長いまりさは餡子の奥ま で刻み込んでいたのだ。 長の仕事とおうち作りの両立にまりさはおおいに疲れさせたが、その苦労も報われようと していた。おうちは大きくなった。家族を養うのに十分な広さまで、遂に拡張したのだ。 「あした、あさいちばんにれいむをむかえにいくよ!」 まりさはそう心に決め、まりさはゆっくり休もうと目を閉じた。だがドキドキして眠れそ うになかった。 そんなモンモンととしていた時だ。 突然、入り口がどん、と大きな音を立てた。 「ゆっ!?」 驚き、まりさは身構える。 誰か来たとしたら、どんなにあわてていても入り口の「ドア」を叩く前に声をかけてくる はずだ。 捕食種が襲ってきた、というのも考えにくい。まりさのおうちの入り口は、群れのみんな で考えた特別製の「ドア」がついている。れいむの「けっかい」が施されており、簡単に は見つからないはずだ。 まりさが思いをめぐらす中、二度、三度とドアは叩かれる。 「ゆゆうっ!?」 一度であきらめないということは、中にまりさがいることを確信しており、それを狙った 攻撃であるのは間違いない。だが、誰が何のためにそんなことをするのか、まりさには想 像がつかない。 固唾を呑んで見つめる。 「ドア」はまりさの経験とぱちゅりーの知識が合わさり、強固な作りになっている。内側 から枝で閂をかけられているため、外からではれみりゃであっても開けられないはずだ。 だが、何度目かの衝撃によってついに閂は折れ、「ドア」取り去られてしまった。 そして、一匹のゆっくりが入り込んでくる。 「うー!」 ピンクのないとキャップに青い髪。こうもりの翼にこの声は間違いない。 「れ、れ、れみりゃあだあああああ!」 れみりゃはすぐには襲い掛かってこず、じりじりとまりさに迫ってくる。入り口はひとつ、 れみりゃの後ろ。逃げ場はない。 まりさは恐怖をどうにか飲み込み、、おぼうしの中からとがった枝を取り出す。 順風満帆に見えるまりさのゆん生だが、危険なこともいくつも経験してきた。れみりゃに 襲われたこともある。もっとも、そのときは運よく逃げ延びただけだ。逃げ場のないおう ちで捕食種と一対一の対峙など、初めてのことだった。 「ゆ、ゆうう……」 「うー!」 まりさのくわえたとがった枝を警戒しながら、しかしひるむことなく、れみりゃはじわじ わと距離を詰めてくる。 まりさの中で恐怖が爆発しそうになった。泣き喚いて全てを投げ出したいという誘惑にと らわれた。 だが、そのときだ。 まりさはおぼうしの重みを思い出した。 おぼうしの中には、群れのみんなが「ゆっくりできること」が詰まっている。 もし、まりさがこのまままりさがやられたらどうなる? おぼうしの中の「ゆっくりでき ること」はどうなる? まりさは冷静さを取り戻し、餡子脳をフル稼働させ、思考を巡らせた。 もし、このまままりさがやられたらどうなるか? きっとれみりゃは、群れのみんなを襲 うに違いない。 特製の「ドア」は、ほとんどのおうちに備えられている。普通のれみりゃだったら安全だ ろう。だが、目の前のこのれみりゃは、それを開けてみせたのだ。 長の導きもないまま、こんな危険なれみりゃが群れを襲う……なんてゆっくりできないこ とだろう。そんなこと、まりさには許せなかった。 そう思った瞬間、体は動いていた。 「ゆー!」 叫び、口にくわえた枝を突き出し、まりさは突進した。 いかに考えをめぐらそうと、ゆっくりにできることなどこの程度だ。だが、この攻撃は悪 くない。 拡張され大きくなったおうちとはいえ、れみりゃが飛ぶのはとても無理。枝はともかく、 突進するまりさの体をかわすのは難しい。枝で傷つけられなくとも、体当たりでひるませ れば勝機も少しは見えてくる。 だが、れみりゃの動きは、まりさのまったく夢にも思わないことだった。 「ゆうう!?」 れみりゃは、翼を使った。 翼で木の枝を受け流し、するりとまりさの脇を抜け、まりさ決死の突撃をなんなくかわし たのだ。ゆっくりとは思えない見事な回避動作だった。 そして、二匹はすれ違い、お互いの位置を入れ換えた。 あわてて振り返ると、爛と輝くれみりゃの目が合い、まりさは凍りついた。攻撃をかわし たからといって、れみりゃはやみくもに攻めてこなかった。侮れない相手だと、慎重にま りさのことを品定めしているのだ。 ドアを破り、翼で枝を受け流し、そして今、油断がない。明らかに普通のれみりゃではな かった。 だが、まりさは幸運だった。その幸運はふたつ。 ひとつはれみりゃと位置が入れ替わったこと、もうひとつはそれにまりさが気が付いたこ とだ。 「ふっ!」 まりさは枝をれみりゃに向かって吹いて飛ばした。もちろんそんなものは通用しない。れ みりゃは翼で簡単に枝を払った。 だが、それでいい。少しの隙ができれば十分だった。 突進により、まりさとれみりゃの位置は入れ替わった。つまり、まりさの背後に入り口が あるのだ。 まりさは急いで外に出ると、「ドア」で入り口をふさぎ、全体重をかけた。閂は壊された ものの、幸い「ドア」そのものはほとんど破損していなかった。 「うー! うー!」 何度か内側からぶつかられたが、入り口は下向きだ。捕食種の身体能力が優れていると言 っても、上から押さえつけるまりさの方が有利だ。 まりさはほっとした。後はみんなを呼んで、この「ドア」の上に重い石でも置いてれみり ゃをとじこめてしまえばいい。時間を置いて、れみりゃが弱ったところでやっつけるなり、 餓死を待つなりすればいい。 まずは、みんなを呼ぼう。大声を出そうと、まりさが息を大きく吸い込んだときだ。 「うー! みんな、ちょっとてごわいまりさがいるんだどー! てつだってほしいどー!」 まりさより先に、れみりゃが助けを呼んだ。 みんな? れみりゃは、一匹じゃない? 戦慄するまりさは、そのときようやく、静かであるはずの夜の群れが騒がしいことに気が 付いた。 いくつもの声が聞こえる。そのいずれもが……悲鳴だ。 「どぼじでれみりゃあがいるのおおお!」 「おかーしゃああああん! ゆわあああ! たちゅけてええええ!」 「いぢゃいいぢゃいいぢゃいいいい! やべでええええ! ずわないでええええ!」 群れに大変なことが起きている。 もう、おぼうしの重みを感じなおすまでもない。まりさは長としてとっくに覚悟を決めて いる。 今、「ドア」から衝撃はない。れみりゃは仲間が来るのを待っているのだろう。 「そろーり、そろーり……」 まりさは気づかれないよう、出来る限り静かに離れる。幸い、れみりゃはまりさの行動に 気づいていないようだ。ある程度の距離を稼ぐと、まりさは群れの中心へと駆け出した。 ・ ・ ・ 平和な群れは凄惨な、とてつもなくゆっくりできない地獄と化していた。 ありとあらゆる場所で、一方的な蹂躙が行われていた。一、二、三……ゆっくりの餡子脳 では数え切れないたくさんのれみりゃが、ゆっくり達を次々と狩っていた。 「どうして……れみりゃがこんなにいっぱいいるの……」 まりさが呆然とつぶやくのも無理はない。 れみりゃは普通、群れを作らない。基本的には一匹で行動する。複数でいたとしても、そ れは家族である場合がほとんどだ。その場合は、親ゆっくり二匹に子ゆっくり数匹という 構成だ。 だが、群れを襲っている無数のれみりゃは、見た限り全てが成体ゆっくりであり、たくさ んいた。 「ゆわあああああああ!」 お友達のまりさが追われている。後ろからはれみりゃに追いかけられているのだ。 ところが、逃げた先には、 「どぼじでれみりゃがいるのおおおお!?」 まるで待ち受けていたように別のれみりゃがいた。 「おめめがーっ! ありしゅのつぶらなおめめがー!」 「いぢゃあああいい! いぢゃいよおお! みえないいよおお!」 「くらいよおお! まっくらだよおおおおお! こわいよおおお!」 声に振り向けば、そこにはゆっくりの目を狙って襲うれみりゃがいた。異様なのは、目を 壊すだけでそれ以上のことはしないことだ。次々とゆっくり達の光を奪い、しかしかぶり ついて餡子を吸い出すということをしない。まるで、目をつぶすことが自分の役目だとい うように。 そして、それを待っていたかのように、今度は体は大きいものの動きは鈍そうなデブれみ りゃがやってきた。そして目が見えずろくに逃げることも出来ないゆっくり達を、次々と 吸い尽くしていく。 「れいむのおちびちゃんをかえせえええ!」 遠くでは、子供を取られたれいむがいる。 まるで見せ付けるように子ゆっくりを殺さず口にくわえるているれみりゃ。れいむの目は それに釘付けだ。 その後ろから、別のれみりゃが襲い掛かった。なすすべもなくれいむは吸い尽くされ、子 ゆっくりも同じ運命をたどった。 「なんなの……これ……なにがおきてるのおおおお!?」 群れをなしてれみりゃが襲い掛かってきた。しかも、連携して。 まりさはもう、この状況がなんであるかわからなかった。 だが、長としてできることは一つだけだ。 「みんなー! ここはもうだめだよー! 『ひなんばしょ』ににげてー!」 叫びながら、地獄となった群れを駆け抜ける。 あらかじめ緊急事態用の避難場所は決めていた。 そこへみんなを誘導すること。まりさにできることはそれだけだった。 声に気づいたれみりゃが襲い掛かってくる。 「! このれみりゃはおめめをねらってるんだね!」 さっき見ていたれみりゃだったことが幸いした。あらかじめわかっていた狙いをタイミン グを合わせてかわす。 「みんなー! にげてー!」 まりさは、叫び、走る。 絶望の中を、わずかな希望にすがりながら。 ・ ・ ・ 「ゆう、ゆう、ゆう……」 荒い息ばかりを吐き、まりさは必死に跳ねていた。あれからまりさは群れに避難を呼びか けながら走り回り、そしてどうにかれみりゃ達から逃げ切り、秘密の避難場所の入り口近 くまでたどり着いていた。 「みんなを……まもれなかったよ……」 まりさが逃げられたのは、れみりゃを無視してずっと走り続けたためだ。 れみりゃの多くは陽動やけん制をする役としとめる役に分かれていたようだった。陽動に もけん制にもかまわずただ駆け続けるまりさはそのコンビネーションにはまらず、標的に なりにくかったのだ。なにより、他のゆっくりがたくさんいたことが大きい。まりさは皮 肉にも、群れを守るどころか、群れに守られてしまったのだ。 「れいむ……だいじょうぶかな……」 群れを一旦離れて思うことは、ずっとゆっくりすることを約束したれいむのこと。 「きっとだいじょうぶだよ……! さきに『ひなんばしょ』でまってるにきまってるよ!」 まりさはそう自分に言い聞かせると、避難場所への入り口と向かう。 緊急用の秘密の避難場所とは、滝の裏の洞窟だった。 水に弱いゆっくりがいるとは誰だってなかなか思わない場所だ。捕食種はよりつきもしな い。 湿気が高いので長く暮らすのには向かないが、短期の避難場所としては絶好のゆっくりス ポットだった。 そして、その入り口近くまで来たところで、まりさはようやく気がついた。 洞窟の中から、悲鳴が聞こえる。 「ゆゆ!?」 驚きのあまり、飛び上がった。 それが、幸いした。 「うー!」 まりさの下をれみりゃが通り過ぎた。 れみりゃは口惜しそうにまりさを見ながら、しかし勢いはとまらず、そのまま洞窟の中へ と飛び込んで行った。 「そ、そんなああ!? どぼじでれみりゃがいるのおおおお!?」 まりさはつけられていたのだ。先に避難場所に着いたゆっくりもまた尾行され、既に避難 場所はれみりゃに蹂躙されている。洞窟からの悲鳴はその結果だ。 あえて逃がし、避難場所を知る。このれみりゃたちはゆっくりとは思えないほど狡猾だっ た。 「どうして……どうして……」 なんでこんなことに。 なにがいけなかったのか。 なにか間違えたのだろうか。 わからない、わからない、わからない。 餡子脳は過負荷に沸騰してしまいそうだった。まりさはもう、何をしていいのかわからな くなってしまい、動きを止めた。 そんなまりさを、現実に引き戻す声があった。 「まり……さ……?」 いつの間にかうつむいていた顔を跳ね上げた。声はあの、ずっとゆっくりすることを約束 したれいむのものだったのだ。 まりさの前に、れいむがいた。 れみりゃにかぶりつかれながら必死にはいずる、れいむがいた。 ひどいありさまだった。 あのふっくらしていた肌は、惨めにしなびてしまっている。しっとりとしてた髪も、恐怖 と痛みで色が薄くなっていた。目の光も弱い。明らかに、もう先は長くない。永遠にゆっ くりするのも時間の問題だろう。 れいむはまりさを見た。まりさは助けてやりたかった。どうにかして、れいむを救いたか った。 「まりさ……にげて……!」 だが、れいむは救いを望まなかった。自分が永遠にゆっくりしそうな状況にありながら… …いや、だからこそ、最愛のまりさが生き延びることを望んだのだ。 「れ、れいむっ……!」 「まりさ……だいすきだよ……まりさは、ずっと……ゆっくり……していっ……」 そして、れみりゃは餡子を吸い尽くされた。 自分のことを省みず、最後までまりさのことを想い、れいむは永遠にゆっくりした。 からっぽになったからだの中に、光を失った目がぼこり、と落ちた。餡子という支えを失 った皮はくしゃりと力なくつぶれた。 「ゆわああああああああああああああ!」 絶叫した。体中の餡子を吐き出さんばかりの勢いでまりさは絶叫した。 そんなまりさに、れみりゃはまるでひるむことなく、けぷ、とひとつゲップを吐くと、鋭 い視線を向けた。その目はふてぶてしく語っている。「次はお前だ」、と。 「ゆっがあああああああああああああ!」 武器となる木の枝はない。策も何もない。勝てる見込みなどひとつもない。何も考えず、 まりさは飛び掛った。 ただ全力で、憎しみの全てを叩きつけるように。 れみりゃの目が変わった。 目の前のまりさが、無力な餌ではなく注意すべき敵であると認識したのだ。 すばやく飛び上がる。かわしきれず、まりさのおぼうしの先っぽがかする。予想外の接触 に驚き、れみりゃの姿勢がわずかに崩れる。 「ゆうう!」 まりさはすぐさま着地し、振り返り追撃しようとした。 だが、出来なかった。着地すべき地面がなかった。 まりさが突っ込んだ先はガケだったのだ。滝が降り注ぐ先へと、まりさは頭からまっさか まさに落ちていった。 ・ ・ ・ 「……ゆ?」 気がつけば川に打ち上げられていた。 おちたとき、川におちた。頭からまっさかさまに落ちたのが幸いした。おぼうしからうま く着水し、まりさは水に浮くことができたのだ。そして流され一命を取り留めたのだ。 まりさはおぼうしをかぶりなおす。 水を吸ったおぼうしは重みを増していた。だが、まりさはそう感じなかった。 むしろ、軽いと思った。 昨日までは「ゆっくりできること」でいっぱいだった、誇らしい重みのおぼうし。 今はずぶぬれの水の重さだけ。そんなもの、惨めなだけだった。 暗い森の中、しんと月明かりだけが照らしている。あの惨劇が嘘のような、あまりに静か な夜の森だった。 まりさは歩き出した。 行かなきゃ、と思った。 どこへ、とは考えなかった。 歩けば、どこかにたどりつけると思ったから。 止まったら嫌な考えに囚われてしまいそうだったから。 だから、ただただ進み続けた。 そして、気づけばまりさはおにいさんの住む山小屋にたどり着いていた。 窓からは暖かな光が漏れていた。まりさの瞳から涙がこぼれた。 「おにいさん、おにいさん! でてきて! でてきてよおお! まりさのおはなしをきい てええ! まりさ、もう、もう、もう! どうしたらゆっくりできるのか、わからないん だよおおお!」 まりさが呼びかけると、小屋の中でどたばたと音がし、あわてた様子でおにいさんが現れ た。 「ま、まりさ!? いったいどうして……」 「お、おにいざーん!!」 まりさが飛びつくと、おにいさんはやさしく抱きとめてくれた。 あたたかい感触に、まりさは安堵を得る。だが今は、その暖かさに浸れなかった。群れの みんながゆっくりできない今、自分だけがゆっくりしたくはなかった。 おにいさんなら、なんとかしてくれるかもしれない。その思いにすがった。 「おにいざん、おにいざん! あのね、あのね……」 「驚いた、よくあのれみりゃの包囲から抜けられたものだね」 「……ゆ?」 まりさは人間が賢いことを知っている。いろんなことを知っているということを、知って いる。 でも、それでも納得できなかった。 「どうしておにいさん、れみりゃのことしってるの……?」 「まあ、中で話そうか」 そうして、まりさはおにいさんに抱かれたまま、中へと連れて行かれた。 まりさが山小屋の中へ招かれるのは初めてだった。 初めて見る部屋の中。 まりさは一目見て、 「なんなのこれええええええ!?」 絶叫した。 通された部屋の中には、無数のモニターが設置されていた。 そのいずれにも、襲われる群れのゆっくり達の様子が映し出されているのだ。 れいむが、ありすが、ぱちゅりーが、みょんが。 れみりゃに襲われ、噛み付かれて、吸い尽くされる。そんな様子が無数に映し出されてい るのだ。 「れみりゃにつけたカメラの映像さ」 「ゆ?」 「つまり、れみりゃ達が見てるものをここで全部見れるんだよ」 「ゆ? ゆゆ?」 まりさにはおにいさんが何を言っているのか理解できなかった。 ただ、予感があった。知ってはいけない、しかし知らずにいられない。そんな恐ろしい、 ゆっくりできないこと。それがここにはあるという、不吉な予感。 おにさんはまりさを机の上に置いた。全てのモニタが見渡せる特等席だ。 「モニターの1番は……技術はあるし発想もいいんだが、たまに止めを刺さず投げっぱな しにするのがよくない。36番は試験に二回落ちただけあって堅実だ。でも、ちょっとや りすぎな感じはあるな……」 ぶつぶつとつぶやくおにいさんの声もまりさにはゆっくりできない。 「お、おに、おにいさん……これはいったいどういうことなの……?」 「見てのとおり、れみりゃが君の群れを殲滅している。それだけのことさ」 おにいさんはいつもと変わらない様子で、さも当たり前のように語る。 まりさは本能的に悟った。目の前の惨劇。それを、このおにいさんが引き起こしたという ことに。 だから、叫んだ。 「ど、どぼじでごんなごどずるのおおおお!?」 それに対するおにいさんの答えはシンプルだった。 「通常種のゆっくりが邪魔だからさ」 まりさは絶句した。 そんなまりさを優しくなでながら、おにいさんは言葉を続けた。 「ゆっくりってやつは、やたらと山の自然を荒らすし人家にも被害を出すことがある。ゆ っくりは単体では脆いナマモノだけど、種としては強靭だ。あっという間に数を増やすか ら、殺すのは簡単なのに根絶となると異常に難しい。繁殖力がありすぎる。増えるたびに 駆除してたら、金も手間もいくらあっても足りやしない。そこで、れみりゃを使うことに したのさ」 おにいさんはモニターのひとつを指差した。 そこにはれいむを吸い尽くすれみりゃの姿があった。 「見てのとおり、れみりゃは邪魔な通常種のゆっくりを食べてくれる。ふらんでも良かっ たけど、あっちは性格にムラがあるし、数も増やしにくい。で、れみりゃを使うことにし たのはいいんだけど、あれもゆっくりには違いないから頭は良くないし、群れを壊滅させ るほど大食いでもない。実際に大量のれみりゃを山に放す実験が行われたらしいけど、あ まり効果は上がらなかったようだ。れみりゃの狩りの効率を、ゆっくりの繁殖力が圧倒的 に上回っているんだ。それなりに頭のいいゆっくりは、普通のれみりゃに襲われないよう に工夫するから、どうしても討ち漏らす、ってのも大きな原因のひとつ。れみりゃの狩り はぬるすぎるんだ」 おにいさんの説明はまりさには理解できなかった。 ただ、ただ、歯を食いしばり、食い入るようにモニタを凝視していた。 「でも人間はバカじゃない。すぐに新しい方法が考えられた。れみりゃが使い物にならな いなら、加工して強化し、訓練して役に立つレベルまで引き上げればいい。結果、通常よ り高い身体能力を持ち、複数で連携をとって確実に群れを殲滅する捕食種のできあがり、 というわけさ」 今度は別のモニターを映し出した。 口に枝をくわえるみょんとちぇんの二匹だ。れみりゃを、二匹で協力して倒すつもりらし い。 そこに、後ろから別のれみりゃ達が襲い掛かった。真後ろからの不意打ちに、二匹はあっ さりと倒されてしまった。 カメラを持ったれみりゃは、二匹の注意をひきつけるおとりだったのだ。 まりさも実際に現場でいくつも目にしていた。れみりゃたちは実に巧みに連携をとって、 群れのみんなを狩っていた。 まりさはただただ目を見開いていた。 だからその呟きはまりさも意識せず漏れた。 「どうして……? まりさたち、なんにもわるいことしてないのに……」 無意識の呟きに、おにいさんは聞きとった。 「悪いことをしない――つまり、善良な野生のゆっくり。それがいけないんだ」 「どう……して……?」 「ゲスが台頭した群れは大して増えない。圧制をしいて死ぬゆっくりが多くて適性数を保 ったり、あるいは勝手に自滅してくれる。でも、本当に善良なゆっくりはだめだ。増える。 際限なく増える。増えすぎて山を丸裸にしてしまった例だってあるくらいだ。山の生態系 にとって、なにもしない善良なゆっくりこそ最大の害悪なんだよ」 「そん……な……」 あまりにゆっくりできないことの連続に、まりさの餡子脳はまともな思考を手放そうとし ていた。だがそれを、お兄さんの言葉が引き止めた。 「それで、これからが君に関係する話だ」 「ゆ? ま、まりさに……?」 「そう。群れ殲滅用の捕食種は完成した。でも、実運用の前には実地試験が必要だ。その 対象はなるべく数が多くて賢い群れが望ましい。それも人間の手の加わっていない、野生 の群れが最適だ。人間の手が加わると、ゆっくりってやつはどうしてもゲスな面を出すか らね。さっきも言ったけどゲスなゆっくりは増えすぎないから駆除対象にならないから、 実地試験に向かない」 「わからないよ……」 「まりさにわかるように言えば、僕達が必要としたのは、そうだな……とってもゆっくり した大きな群れがだった、ってとこかな?」 「ゆっくりした……むれ……」 まりさの瞳からとめどなく涙が流れた。 ゆっくりした群れ。まりさはそこにいた。群れをゆっくりさせるために、全てを費やした。 夢だった。あの群れは、まりさの夢そのものだった。 しかし、夢は願うだけでは叶わない。夢を実現させてくれたのはなんだっただろうか? 「だから僕は君にアドバイスしたのさ」 そうだ。おにいさんがいたからだ。いつもまりさの相談にのってくれるおにいさんの存在 なくして、あれほどゆっくりとした群れはありえなかった。 「いや、ずいぶん気を使ったよ。実地試験には人間の手が加わっていない、という条件が あったから、ゆっくりの領分を越える知識を与えちゃいけない。なるべくゆっくり自身に 考えさせて、群れにゆっくりらしい発展を遂げてもらわなきゃならない。難題だったけど うまくいったよ。僕のアドバイスで、君はゆっくりできただろう? 群れをゆっくりさせ られただろう?」 そうだった。 まりさが悩んで相談を持ちかけたとき、おにいさんは回答を言うことはなかった。それと なく考える道を示してくれただけ。ほとんどの悩みを、まりさは自分なりの考えで解決し てきたのだ。 「いや、まりさに出会えてよかったよ。君は本当に性格のいいゆっくりだった。初めは君 一匹に働きかけるだけじゃうまくいかないだろうと他のゆっくりに声をかけることも考え ていたけど……いやいや、こんなにうまくいくとは思わなかったよ。まりさは最高の『群 れの長』だ。実にいい素材を用意してくれた。ほら、見てごらん。君の群れのゆっくり達 は実によくがんばってくれている」 モニターの向こうではゆっくりたちが奮戦していた。 子ゆっくりを逃がすため、自ら身を差し出すれいむがいた。 おぼうしを引き裂かれても、他のゆっくりをかばって戦うまりさがいた。 あきらめず、みんなを逃げ道に誘導しようと必死に声を張り上げるぱちゅりーがいた。 目をつぶされたのに、少しでもれみりゃを傷つけてやろうと木の枝をふりまわすみょんが いた。 誰かを見捨てるゲスゆっくりは一匹もいない。どのゆっくりも、みんながゆっくりするた めに、最後まであきらめずがんばっていた。 本当に、ゆっくりとした最高の群れだった。 それなのに……いや、それだからこそ。れみりゃ達の実地試験の素材として、最高のゆっ くりたちだと言えた。 群れのゆっくり達の決死の行動は、結局のところなにもかもが無駄だった。どんな抵抗も、 人間によって身体能力を強化され、連携を徹底的な訓練により教え込まれたれみりゃ達の 前には役に立たなかった。 モニターにはひとつとして、奇跡の逆転劇も幸運な脱出劇も映されない。ただただ、惨劇 ばかりが展開されていた。 「ゆっ、ゆっ、ゆっ!」 「まりさ?」 まりさは震えていた。恐ろしさに、なにより絶望に。 おにいさんの言葉はゆっくりであるまりさには難しく、まりさはおにいさんの話を理解し ていない。 「……まりさ、おにいさんがなにをいっているのかぜんぜんわからない。ぜんぜんわから ないよ……」 いや、本当のところは既にわかっていた。本質は、餡子脳の奥で理解していた。だが、わ かりたくなかった。認めたくなかった。 それなのに。 「ああ、つい熱が入ってしまった。ごめんね、まりさ。いつものように、まりさにもわか るように言ってあげるよ」 おにいさんは優しく、しかし残酷にまりさの逃げ道をふさぐ。 「まりさ。君は、れみりゃに滅ぼされるために、群れを大きくしたんだ」 「ゆ、ゆ、ゆああああああああああああああああああああああああああああ!」 まりさは絶叫した。 餡子が沸騰せんばかりの激情に身を焦がされ、その炎を吹き出すように叫んだ。 まりさのがんばってきたこと。しあわせなこと。ゆっくりできると思っていたこと。 いままで生きてきたゆん生で積み上げてきたありとあらゆるもの。なにもかもがこの惨劇 に向かうためのものでしかなかったなど、受け入れられるはずがなかった。 しかし、まりさがどう思おうと目の前の悲劇は終わらない。現実は変わらない。目の前の 無数のモニターではただ淡々と、今もゆっくり達がれみりゃによって滅ぼされる様を映し 出し続けている。 まりさは叫んで叫んで、声が尽きて……そして、叫びに口を広げたまま、動かなくなった。 そんなまりさを、おにいさんはただただいつものように柔和な顔で、しかし感情のない冷 静な目で眺めている。 おにいさんは学者だった。自分の研究を行い、それを発表することに無上の喜びを感じる、 純粋すぎるぐらいの学者だった。こうしてまりさに全てを話したのも、ただ自分の研究が うまく言ったことを話すのに熱中しただけに過ぎない。 そしておにいさんは、研究に情というものを持ち込まない人間だった。 「まりさ。君にはこれからも実験につき合ってもらうよ。あの包囲を抜けた君は研究対象 として興味深いし、れみりゃ達の訓練の相手にもちょうどいいだろう。これからも、ゆっ くりしていってね!」 まりさにはなんの反応も示さなかったが、おにいさんには関係なかった。 透明な箱にでも閉じ込めておくかと、おにいさんが机からまりさを持ち上げると、おぼう しがぱさりと落ちた。 「おや、珍しいな」 ゆっくりのお飾りは、人間の手で簡単に奪えるが、こんな風に自然に落ちてしまうなんて ことはまずない。不思議と落ちないようになっているのだ。 まりさの中にわずかに残った意識が、それを当然のことだと思った。 まりさはおぼうしのなかを凝視した。 何もない。空っぽだった。がらんどうのおぼうしだ。 あれだけたくさんつめこまれていたはずの「ゆっくりできること」。 それがみんなみんな、なくなってしまったのだ。 だから、まりさのおぼうしは、すっかり軽くなってしまい、ちょっとゆれただけで簡単に 落ちてしまったのだ。 おぼうしはおにいさんの手によってかぶらされた。 まりさはもう頭の上のおぼうしに、もうなんの重さも感じなかった。 了 by触発あき 挿絵 by触発あき 過去作品 ふたば系ゆっくりいじめ 172 とてもゆっくりした蛇口 ふたば系ゆっくりいじめ 180 ゆっくりばけてでるよ! ふたば系ゆっくりいじめ 181 ゆっくりばけてでるよ!後日談 ふたば系ゆっくりいじめ 199 ゆっくりたねをまいてね! ふたば系ゆっくりいじめ 201 ゆっくりはじけてね! ふたば系ゆっくりいじめ 204 餡小話の感想れいむ・その後 ふたば系ゆっくりいじめ 211 むかしなつかしゆーどろ遊び ふたば系ゆっくりいじめ 213 制裁は誰がために ふたば系ゆっくりいじめ 233 どすらりー ふたば系ゆっくりいじめ 465 おぼうしをおいかけて ふたば系ゆっくりいじめ 469 おぼうしをぶん投げて 上記以前の過去作品一覧は下記作品に収録 ふたば系ゆっくりいじめ 151 ゆっくりみわけてね! 触発あきの作品集 トップページに戻る このSSへの感想 ※他人が不快になる発言はゆっくりできないよ!よく考えて投稿してね! 感想 すべてのコメントを見る 報われない話、イイネ -- 2014-05-11 03 19 32 冒頭の「もみもみしゃん」がもう既にウザイ -- 2013-04-17 19 22 35 まりさは可哀想なゆっくりだね。 まぁ個人的に俺、れみりゃ大好きだし 満足~♪ 「うー☆れみりゃはまりさを食べたいんだどー☆」 -- 2012-10-31 22 38 30 まりさ………くそう… やっぱりこれが正しい行動だとは思えん……どうしてもクズ人間がっ……… と思ってしまう… -- 2012-07-18 03 24 18 ↓6 最も観たかった、とか、おめえの感想を全員が共有してるわけじゃねえんだよ。 ゆっくりりかいしてね? お前は毎回毎回なんでそう餡子脳なレスしかできないの? 馬鹿なの?死ぬの? -- 2012-05-16 02 27 29 研究お兄さん -- 2011-10-13 19 59 47 ↓×10 お前文章読んだのか? -- 2011-02-15 00 33 35 ↓↓↓なんか変な深読みしちゃってるけど、作者さんは続編書く気なんてさらさら無かったと思うよ。 -- 2011-01-12 01 28 23 ↓↓長まりさをこれ以上いじめても面白くならなそう。なにも残ってないお帽子を見て絶望するまりさをラストに据えることは、お帽子の中身が話の主題だから適切だし、しつこい虐待よりもSSがきれいに終わって読後感が良い。既に心の折れたまりさを執拗に虐待し殺しても、むしろSSの質を落とす結果になったと思う。だから無くて良かった。 ゆっくりは薄皮の一枚まで余すとこなく虐待しなきゃ許さん!物理的虐待以外はいらないんだ!って人には触発あきさんの作品は合わないかもね。 -- 2011-01-12 01 24 39 長まりさは十分な精神的虐待を受けてるしこれ以上の虐待は反応を示さなくて面白くないかと -- 2010-11-27 07 42 40 長まりさの無残で悲惨な死に様まできちんと見たかったですね 読者の感想次第で続編が作れるようにとの考えでそうしたのであれば 止めた方がいいですね 最も見たかった長まりさへの虐待が最後まで無かった事で フラストレーションが溜まってしまいゆっくり出来ませんでした -- 2010-11-12 05 54 12 すっきり制限で自制できる群れじゃない限り、害にしかならないのかー なにもしない善良なゆっくりこそ最大の害悪… 自制”しない”のが最大の悪という事か -- 2010-10-11 23 09 22 負荷が増えないよう配慮して自発的に個体数調整するとか 増えた負荷を穴埋めする活動をできる程度に賢くないと 中期的な山の環境維持って視点からは野放しにできないか -- 2010-10-08 02 29 26 協力して、拡大できるようになったからこそ、他の生物にとっての害になる。 だから、人間は害獣として駆除する、か。ゲスの方が幸せなのかも知れないな。 資源を考えず、際限なく増える人間のミニマライズと言った印象。 -- 2010-09-28 17 34 51 >頭悪すぎ。 自己紹介がうまいなぁ それとも話を読んでないのかな、もしかしたら日本語が読めないのかも知れないけど -- 2010-09-23 07 47 33 行動が悪なのか… -- 2010-09-23 01 52 05 人間はバカじゃないとか言ってるけど、バカだろ。 これだけ善良で賢い個体が居ることを知りながら絶滅させることしか考えられないなんて頭悪すぎ。 -- 2010-09-20 02 32 42 このお兄さんがゆっくりできなくなる話が読みたい -- 2010-03-07 02 24 42
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好きなSS投票 好きなSS投票できます。何を読めばいいのか分からない人はここを見てみると良いかもしれません。 シリーズものの場合、タイトルは一つに統一されています。 五十音順です。 ()はフォーム内に入れられないため、表記から外しています。 下に検索フォームついてます。興味を持ったらタイトル入れて作品にGO! 選択肢 投票 ○○×かがみ (3) 1st STAGE ~ 3rd STAGE (10) 20話うらばなし (1) SH (1) usual days ~ Memories (22) power plant (2) quick master (2) ああっつかさ様っ!! (10) 汗と涙の1025 (10) あなたを・もっと・知りたくて (2) アニメ店長ネタ (2) 姉離れ、妹離れ (2) 雨あがる。その世界 (0) アレをはやした、かいちょうさん (14) 泉こなたが倒せない (6) いもうと争奪戦 (7) ウィークエンドの憂鬱 (7) えむ☆えす~まぞなみなみ・さどなゆたか~ (7) おあつい中で (1) 教えてみゆきさん 貧乳克服編 (7) お弁当 ~ この状況って… (3) かがみの恋、こなたの気持ち (5) かきごおり (1) カラオケボックスの後日談 (0) 感情移入 (0) 記憶喪失 (0) きゃんでぃ・がーる シリーズ (6) グリーン・グリーン (0) 日下部みさおのからかい方 (1) ゴースト・マシン (2) こな☆フェチ シリーズ (16) こなかが長編 (11) こなた強制自慰 (1) こなたの告白コンサート編 (4) ご褒美は笑顔を引き連れて (3) 最後に、一度だけ ~ 契りは、別れへの約束 (9) 佐賀北4強入りおめでとう、そしてがんばれロッテbyななこ (2) 佐賀北高校甲子園優勝おめでとう、あとがんばれロッテbyななこ (0) 桜と共に (3) 寒さ暑さも彼岸まで (1) さよなら魔法使い (4) 実力行使 ~ 性欲発散 (5) 暑中見舞い (2) 好き☆嫌い (2) すじ雲 (1) 攻めのみゆき、受けのみなみ (3) 絶望の方角 (0) そうじろう&ななこ (0) それって好きってことなんじゃ……by笹塚 (1) 誕生日プレゼント (0) チビオタドリンク (2) てけてけかなたさんシリーズ (11) 遠くにある明かり (2) 渚スコープ (4) ヌード (1) 熱中症 (0) 柊家地震ネタ (0) ぶるー・すかい・ぶるー (2) ホーム・スウィート・ホーム (6) ぼけぼけキューピッド ~ ぼけぼけハート (48) 報われない現実 ~ ああ、素晴らしきお泊まり会 ゲーム結果まで (50) 真夏の夜の悪夢 (1) みさおとこなたの百合ごっこ (2) メロディー (7) 結び目が解けるまで (3) 夕暮れの教室で ~ 後日、ゆたかとみなみ (1) ゆに☆すた ~University☆Star~ (9) ラブマイライフ シリーズ (24) 料理「甘い毒入り」 (1) レイニーロジック シリーズ (14) 鷲宮神社は萌えているか (3) ■検索フォームについて 入力した単語を含むページの検索を行えます。 タイトルや文中の表現などを入力することにより、特定の作品を絞り出すことが可能です。 例 こなたにネコミミが生える話ってどれだっけ→検索「こなた ネコミミ」→ウマー 検索から表示したページだと指定単語がハイライトされた状態になっていますので、 最上段の文中リンクから正規のページに移るとハイライトが消え、読みやすくなります。 リンクが間違っていて繋がらず、読めない時も利用すると良いと思われます。 検索 検索
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シリーズの0話的な位置づけでお願いします あいも変わらず核弾頭です。多分過去最高レベルの 気分が悪くなったらユーターンを推奨します 独自設定あり 幻想郷の話です 「ゆ!!ドス!!どうしてゆっくりをみんなゆっくりさせる聖戦を思いついたの?」 幹部れいむはドスに質問をした。今まで気になっていたのだろう。 「ゆ?れいむ?どうしても聞きたいの?」 「どうしてもだよ!!聞いたらみんなをもっとゆっくりさせるインスプレーションが働くかも しれないよ!!」 「ゆ~~しょうがないね!!ゆっくり聞かせてあげるね!!」 ドスは自分の昔の話を語り始めた 昔のゆっくり これはドスがまだただのまりさで、子ゆっくりの時から始まる。 まりさのいた群れは森の山奥にあり、そこは天敵ともいえる動物が一切なく 個体数が増えすぎても雨などの事故等でうまく数が調整された土地であった。 みな特に食糧に特に困るという事が今までなく、みな思うがままにゆっくりしていた。 それもあってか不慮の事故という事故以外で死ぬゆっくりがいないため 何十、何百世代に渡って思う存分ゆっくりしたゆっくりしかいなくなり いつしかゆっくりこそが世界の頂点に位置する生き物だと考え始めていた。 ただ単に天敵という天敵がいないため思いあがったのだろう、餡子の記憶からも 天敵の存在は消え切っていた。 「ねえお母さん?なんでゆっくりは世界でもっとも素晴らしい存在なの?」 当時子ゆっくりだったまりさは母であるまりさに聞いたことがあった。 その返答に母まりさはにこやかに答えた 「あそこにいるれいむをゆっくり見てね!!」 まりさはゆっくりしているまりさをみた。 そのまりさは木の切り株の上に乗り、森の木々から漏れる日の光を浴びて気持ちよさそうに寝ていた 「まりさの姿をみてごらん!!なにかかんじるでしょ!!」 まりさはそのゆっくりをよく観察した。 日光を浴びてつやつや光る髪、光を浴びてその白い肌をさらに白く感じさせる肌、 そしてそのまりさの顔の素晴らしいゆっくり比。 まりさはこのまりさのゆっくりした姿をみて確信した。 どんな絵さんよりもとってもきれいで、神々しくて、なにより、なんて言えばいいんだろう。 「そう、それがゆっくりしているということなんだよ!!」 お母さんまりさは続けた 「とってもゆっくりしているでしょう!!あのまりさがとてもゆっくりするために あの木さんは切り株さんになったし、あのまりさがゆっくりお昼寝できるように 森の木さんがわざわざちょうどいいおひさまを用意してくれたんだよ!!」 まりさは母の言葉に感動していた 「ここにはどれだけ食べても草さんやキノコさんがゆっくりに食べられるために たくさん、勝手にはえてきてくれるのよ!!だからおちびちゃんも勝手にはえてくる ごはんさんをできる限りたくさんたべてあげて、ごはんさんの幸せ~にしてあげたり ゆっくりお昼寝してその場所を提供してくれた生き物が幸せ~になるようにしてあげてね!!」 まりさは母の話に元気よくうなづいた。 「ゆっくりわかったよお母さん!!ゆっくりはやっぱり世界で一番素晴らしい生き物なんだね!!」 母ゆっくりもそうよとうなずいた。 ある日 まりさと母ゆっくりがゆっくりお話しながら歩いていると、ボロボロになったれいむが倒れていた。 「ゆ!!お母さん!!」 「わっかているよ!!れいむ、大丈夫?」 まりさ親子はボロボロで倒れているれいむに駆け寄り、れいむを起こそうとする。 必死にやったのが幸いしたのか、れいむはかすかに反応し、意識を取り戻した。 「ゆ・・・・ゆっぐり・・・じでいっでね」 れいむはボロボロの体にも関わらず挨拶をした 「ゆっくりしていってね!!」 「ゆっくりしていってね!!」 親子はつい反応してしまった。 「れいむ?一体どうしたの!!いま治療するよ!!」 そういうとまりさは近くに生えていた薬草をかみ砕き、液状にした後れいむの体に擦り付けた 「ゆぴぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!」 傷口に染みるのか、れいむは悲鳴を上げた。 れいむの傷は自然についたものとは思えないような傷だった。 あんよは真っ黒になっており、あの真っ赤なリボンは真白になっていた。 体はこれでもかという程傷口があり、中には何かで切られた跡があった。 薬草で応急処置を行った母まりさは大きな葉っぱを持ってきてその上にれいむを乗せて 群れの広場へ運び始めた。その間、まりさはれいむを励ましていた。 ―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「今考えてみれば、あれがすべてのはじまりだったよ」 ドスまりさは楽しかった日々を懐かしく思う様な眼で語った。 「ゆ?ということはそれから始まったんだね!!ゆっくりのためのジハードが!!」 「そうだね、すべてのきっかけはそれからだったよ!!それからね・・・・」 ―ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 群れに着くと群れのみんなはあまりにもゆっくりできなくなってしまったれいむを 哀れんだ。 今村で唯一ある診療所で本格的な治療が行われていたが、あれだけの傷にあんよのあり様、 どうかんがえてもれいむが再びゆっくりできる日々はもうこないだろう。 診療所の入口でれいむを連れてきたまりさ親子は内心怒っていた。 一体だれがこんなひどいことするの!!ゆっくりをゆっくりできなくさせたら みんなゆっくりにも幸せにもなれないよ!!なんでそんなことするの!! これは群れのゆっくりみんながそう思った しばらくすると、診療所のパチュリーが入口から出てきた 「むきゅ!!れいむの治療がおわったわ!!傷は応急処置が良かったこともあってか餡子さんの 流失を止められたわ!!ただあんよの怪我はどうにもならなかったわ・・・。 あんなけが始めてよ!!たぶん自然につくものじゃないわ!!」 群れのゆっくりはやはりという顔だった。 「とりあえず、しばらくは絶対安静よ!! なんでこんな事が起こったかはぱちぇが聞いておくわ!!」 そういうとぱちゅりーは中へと戻って行った。 群れのみなはひと安心し、それぞれお家へ戻って行った まりさ一家もひと安心し、お家へともどっていき最後の平穏な一日を過ごした。 翌日、ボロボロになったれいむから話を聞いたパチュリーから語られた内容はゆっくり達には騒然たる ものだった。 そのれいむはとある広場を散歩している最中、みたこともないゆっくりプレイスをみつけ わざわざれいむのために開けられた入口からお家に入り、ゆっくりしていた所に 人間と呼ばれる生き物が侵入し、れいむのゆっくりプレイスに侵入し、ゆっくりプレイスを 奪うだけでなくれいむをここまでボロボロにしたのだ!! 群れのゆっくりは激怒した れいむをゆっくりさせるためにできたお家を横取りした生き物!! ゆっくりをゆっくりさせることをしない生き物、人間!! 群れのゆっくりは人間という生き物をゆっくりの力をもって駆除することを決定した。 ゆっくりの力・・それはゆっくりをゆっくりさせるために作用する力を人間に ぶつけるという力だった。 まあ早い話、ゆっくりをゆっくりさせてくれる風さんや日光さんがゆっくりをゆっくりさせる ために働いてくれるから、その力で人間が苦しんで反省するその様を見に行こうというものだ。 群れのゆっくりはその日の正午に群れを出発した。 その一群の中に、あのまりさ親子の姿もあった。 お母さんの教えてくれたことに深く感動し、それに反する生き物の存在を子まりさは その正義感から許せなかったのだ。 心配だからとついてきた母の他には、子まりさの妹にあたるまりさもついてきた。 妹まりさは尊敬する姉のまりさの雄姿がどうしてもみたいと駄々をこね、無理やりついてきたのだ。 参加したゆっくりのほとんどはゆっくりをゆっくりさせてくれるものが人間という生き物を 懲らしめてくれるからそれを遠目でみようというまるで遠足に行くような考えで いたため、参加したゆっくりの中には赤ゆっくりや子ゆっくりの姿もちらほら見えていた。 ゆっくり移動すること三日・・・・ 一群は人間の里に着いた。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「今考えてみれば、世界はこのときからゆっくりに対して反乱をおこしていたんだよ・・」 ドスは懐かしくも、悔しいような顔でれいむに話していた。 「ゆ?ということはゆっくりできないことがおこったの?」 「そうだよ・・・・人間の里に着いたまりさ達は・・・・」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 人間の里についたまりさ達群ゆっくりは目の前の光景に驚いた。 風や太陽さんが人間をさんざん懲らしめているはずなのに、全く苦しんでいないのだ!! おかしい、そんなはずはない!!ゆっくりをゆっくりさせるために働く風さんや 太陽さんが全然人間さんを懲らしめていない!! なにやっているのぉぉぉぉ!!早くこらしめてよぉぉぉぉぉ!!! もういいよ!!働く気がない風さんや太陽さんのかわりにゆっくりが すこしだけゆっくりしないで働いてあげるよ!!終わったらゆっくりさせなかった分だけ 働いてね!! 長はそう考え、群れゆっくり達に指示をだした 「ゆぅぅぅ!!みんな!!風さんや太陽さんが全然ゆっくりをゆっくりさせるために働いていないよ!! 働かない怠け者の代わりにゆっくりが少しだけゆっくりしないで人間を懲らしめるよ!! ゆっくり準備をしてね!!」 群れゆっくりは一瞬怒った顔をしたが、すぐにいつもの顔に戻り、石を加えて近くにいた人間に 近づいて行った。 村の入口につくやいなや、長は近くにいた人間を呼びつけた。 その男は偶然なのか、れいむをボロボロにした張本人であった。 「そこの人間さん!!ゆっくりこっちを向いてね!!」 長の叫び声に男は気づいた 「ん?・・・・・ゆっくりの大群かよ・・・・。あのれいむ、仲間にこの場所を教えたな、ったく」 長は男の会話に気がつかなかったらしく、そのまま剣幕な顔で続けた。 「なんでれいむをゆっくりさせなかったのぉぉ!!ゆっくりをゆっくりさせるのが仕事でしょぉぉ!!」 「はあ?なんで俺がゆっくりをゆっくりさせなきゃいけないんだ?」 「ゆっくりをゆっくりさせるのはこの世界の仕事なんだよ!!まりさ達は寛大だから いま謝ってれいむやまりさ達をゆっくりさせたら水にながしてあげるよ!! そうだね、手始めにあの美味しそうなご飯をもってきてね!!人数分だよ!!」 そういって、男が育てていた野菜をよこせと要求してきた だが、男はわざわざゆっくりに合わせる必要などないため、答えはもちろん 「やるわけないだろうが!!」 「どぼじでぇぇぇぇ!!!」 「あれは俺が育てた野菜だ。それを自分のものだとぬかして食べようとするゆっくりを ボロボロにしたり、家を乗っ取ろうとするゆっくりをボロボロにして何が悪い。」 長は顔を真っ赤にした 「なにいっでるのぉぉ!!ゆっくりをゆっくりさせるのが義務でしょぉぉぉ!!! ゆっくりのために働くのがしごとでしょぉぉぉ!!風さんや太陽さんだってゆっくりのために 働いているんだよぉぉぉ!!それなのになんで人間だけさぼるのぉぉぉ!!」 「そんなもん聞いたことがない。思い上がりなら自分の群れの中だけでやってろ!!」 「ゆぎぃぃぃぃ!!ゆっくりせいさいずるよぉぉぉぉ!!みんな!!いくよ!!」 この言葉を合図に、ゆっくりの投石攻撃が始まった。 ゆっくりをゆっくりさせる仕事を放棄した虫さんに制裁するために日頃から練習していた投石攻撃 これで怠け者を制裁するよ!! ゆっくり達はそう考えていた。 だが、男は石をぶつけられ、切れた。 「ざけんじゃねえぞ饅頭どもがぁぁぁぁ!!!」 男は手にしていた鍬の刃を長まりさめがけて振りかぶった。 まりさは鍬の刃をもろにくらい、その場で死んだ 「人が優しくして付き合ってやったら石投げてきやがって!!もういい!!皆殺しにしたらぁ!!」 一方的な虐殺が始まった。 あるゆっくりはふざけるなと叫びながら体当たりをするも鍬に潰され、あるゆっくりは 子を守ろうとしてわが身を盾にし、鍬で親子もろとも死んだ。 あのまりさはなんでこんな事になったのか分からず、目の前の光景にただ呆然としていた。 なんでゆっくりを殺すの?やっちゃいけないことなんだよ?なんで?なんでぇぇぇ!! 「なんでごんなごどずるのぉぉぉぉぉぉ!!!!」 その刹那!!まりさめがけて鍬が襲う。だが、まりさは何かの体辺りを受けた。 母まりさが体当たりをしてまりさの身代りになったのだ。 母まりさは核を寸分違わずりょうだんされていたためか、何一言も残さず、その場で息絶えた。 「お、お、おおお、おおお、おおおがあざぁぁぁぁぁぁぁ!!」 まりさは叫んだ。怒りのあまりに体当たりをしようとしたが、誰かがまりさを掴んだ。 見知らぬ群れのゆっくりれいむだった 「おちびちゃん!!おかあさんはかわいそうだけどこんなところで死んじゃダメ!!」 そういうとまりさを咥えたまま森の方へ駆けて行った。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「お母さん・・・かわいそうだね・・・」 幹部れいむはドスに同情した。 ドスは気にしないそぶりを見せ、話を続けた 「ある意味、本当に大変だったのはこの後だったよ・・・。」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「ゆがぁぁぁぁぁ、妹をばなぜぇぇぇぇぇ!!!」 「おねえぢゃぁぁぁぁん!!だずげでぇぇぇぇぇぇ!!!」 人間の追撃を命からがら逃れたものの、助かったゆっくり達は特に策もないため、お家に一旦引き返す 事にした。 だが、来る道中にはいなかった動物達が負傷したゆっくりから放たれる甘い匂いにひかれてきたのだ。 今まりさの目の前では、妹のまりさが犬に咬みつけれていた。 「おねえじゃぁぁぁぁぁん!!ばりざ、ばだじにだぐないぃぃぃぃぃ!!」 「大丈夫だよ!!おねえじゃんがだずげるよ!!」 まりさは必死に体当たりを仕掛けるも、犬には何のダメージがなく、ただ辺りにまりさの 悲鳴が響きわたるのみであった。 他の生き残ったゆっくり達は突然の襲撃者に驚き、まりさを置いてどこかへと逃げて行った。 そして時が流れ、犬は体当たりをしかけるまりさに飽きたのか、まりさを無視して妹まりさを 咥えたまま走り去っていった 「おねえじゃぁぁぁぁぁぁぁ・・・・・・」 これが妹の最後の言葉となった。 取り残されたまりさは込み上げる感情を必死に抑えた。 まだ何かが襲ってくるかも知れなかったからだ。 だが、目から涙が止まることなく流れていった。 どうにか心を落ち着かせたまりさは4日かけてきた道をたどり、群れに戻ったが そこは地獄となっていた。 先に帰ってきたゆっくりの傷口から流れる餡子やクリームの匂いにひきつけられてやってきた 動物達が群をおそったのだ。 いままでこの群れに動物が襲ってこなかったのにはこの群れ自体が非常に幸運だったのもあるが、 なによりまともに餡子やクリームを流失するようなケガを負ったゆっくりが いままであまりいなかったからだ。 だが今回の場合、まりさを置いていったゆっくり達が先に帰り着いたはいいが、道中さまざまな 動物達がゆっくりを襲い、ほとんどのゆっくりが負傷したのだ。 その負傷したゆっくりから漂う大量の甘い匂いが今までよりつかなかった動物達を 招き入れる形になったのだ。 まりさは必死になって生きているゆっくりを探し始めた。 家に残ったお父さんれいむと妹達、長の奥さんのパチュリー、みょん、友達のちぇん みんな死んでいた。 一匹残らず、群れのゆっくりは死んでいた。 「ゆ・・・ゆ・・・ゆ・・・・・ゆがぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」 まりさは叫んでいた。 ゆっくりをゆっくりするために肝心な所で怠けた風や太陽さん!! ゆっくりをゆっくりさせるどころかゆっくりを殺す人間!! 傷ついたゆっくりを襲う極悪非道な動物さん!! 復讐してやる、復讐してやる!! ゆっくりをゆっくりさせる仕事を放棄した怠け者を、ゆっくりをゆっくりさせない鬼畜どもを 地獄に叩き落としてやる!! こうして、一匹のAVENGER(復讐者)が誕生した。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「それからが苦労の連続だったよ・・・・。何度も群れを作って、何度も捕まって、 何度も人間にゆっくりできない目にあったり・・・」 「ゆぅぅぅ、大変だったんだね・・・・・」 ドスは暗くなり気味な顔でれいむにうなづいた。 「でもね、そんなドスについに転機が来たんだよ!!」 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー それは、まりさがドスになり、これで何度目なのかわからない敗北を迎え、 絶望し、うちひしがれていたときだった。 「なんで、なんでこんなに頑張っているのに人間さんを制裁できないのぉぉぉ」 「それは世界がおかしいからよ」 ドスは誰かの声に驚き、声の主の方を振り向いた。 そこにはいままでみたこともないゆっくりがいた。 とても小さく見えたが小さいわけではないようだ。捕食種の一種だとも思ったが見たこともない。 どのゆっくりにもあてはまらないゆっくり・・・それが今目の前にいた。 「世界がおかしい?・・・・どうゆうこと?ゆっくり説明してね!!」 「いいわよ」 ドスはこの異形のゆっくりの目を見た瞬間、恐怖を感じた。 このゆっくりから何か禍々しいものを感じるよ。恨み?悲しみ?それに近いものを感じるよ でもなにより、このゆっくりは・・・この世界すべてを憎んでいる!! 「世界は本来ゆっくりをゆっくりするために存在していた。そうでしょう?」 「そうだよ!!」 ドスはうなづいた 「その世界がゆっくりを虐めだしたのよ。ゆっくりがゆっくりを平気で殺せるようにしむけ 他の動物や現象がゆっくりを虐めるように仕向けたりして、世界がゆっくりに対して反乱を 起こし始めたのよ。」 「ゆぅぅぅぅ!!!そんなの嘘だよ!!お母さんは言ってたもん!!世界はゆっくりを ゆっくりさせるためにあるって!!そんなデタラメ・・」 「じゃあ私は何?」 異形のゆっくりはドスに割り込んだ 「私はこの姿で生まれてきた。お父さんはお母さんを捨てて、お母さんはそんな私を育てるために いっぱい無理して美味しいご飯を集めたのが禍いして死んだわ。 それから私は仲間のはずのゆっくりにゆっくりできないという理由で虐められてきたわ。 何も悪いこともしていないのによ。それから今に至るまで、私は通りすがりのゆっくりから ゆっくりできないという理由から虐められてきたわ。ゆっくりできないという理由でよ。 そのゆっくり達がなんでそんな事をするのか、それは簡単よ。世界がゆっくりさせてくれないからよ 世界がゆっくりをゆっくりさせて、満ち足りているはずなら私を受け入れてくれるはずよ。 なのに私を拒絶する。だから私は世界を憎む。ゆっくりをゆっくりさせない世界を私は憎む。 これでもデタラメなの?」 ドスはこのゆっくりの言い分が正しいように感じてきた。 確かにゆっくりを追い求めて自滅していくゆっくりが最近増えてきたよ。 それも全て世界のせい?ならやることはただ一つしかないよ 世界を・・・・制裁するよ!! 「そう、分かったのね。本当の敵が。」 「ゆ!!分かったよ!!本当の敵が!!」 ドスと異形のゆっくりは互いの顔を見た。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 「これがこの「ビッツ」を作った経緯だよ」 「ゆ~~、すごいゆっくりなんだねそのゆっくり!!でもどのゆっくりか分からないの?」 「今考えてみてもわからないよ!!でもね、人間と少し似ていたような気がするんだけど・・ そんなわけないよね!!」 ドスはこの異形のゆっくりとの出会いからこの「ビッツ」を作りだした。 あの異形のゆっくりとはそれ以来一度も会ったことはなかったが、 ドスは今もどこかで世界を憎んでいるのではないかと考えていた 「ところでれいむ、インスピレーションは沸いた?」 「ゆ!!もちろんだよ!!インスピレーションもやる気も一杯だよ!! じゃあドス!!昔話ありがとうね!!」 あの異形ゆっくりとの出会いがなかったら 「じゃあがんばってね、れいむ!!」 あの晩に会わなかったら 「ゆし!!ドスもがんばるぞ!!」 ゆっくりの悲鳴がこんなにも聞こえることはなかっただろう・・・・・ あとがき う~~~~ん、正直どうしよ!!なんかフルボッコされそう・・・・・。 作品がクロスされたことに舞い上がって調子こいたら・・・こんなすさまじい出来に・・・。 まあいいか!! 作中にでた異形のゆっくりですが、チル裏でちらっとだけ出た内容を元に作りました。 次回から本編を進めていきます。 ゆっくりAVENGER このSSに感想をつける